2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体内低アディポネクチン量における易炎症反応性の解析
Project/Area Number |
21591288
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
根来 孝治 Showa University, 薬学部, 講師 (70218270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 泰子 昭和大学, 薬学部, 教授 (20155790)
斉藤 清美 昭和大学, 薬学部, 助教 (70307065)
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Keywords | 炎症 / アディポネクチン / 関節リウマチ / マクロファージ |
Research Abstract |
本年度は、平成22年度に予定していた酸に対するマクロファージの応答性へのアディポネクチンの影響を初年度に解析した。アディポネクチンの血中濃度が低値で推移するアディポネクチンanti-sense Tgマウスを使用した。野生型とanti-sense Tgマウスから腹腔マクロファージを採取し、低pH(炎症局所はpHが酸性にシフトする)に対する応答性を比較検討した。細胞内のカルシウムは、シグナル伝達に関与しサイトカイン産生にも関与するので、低pHに対する応答性の解析には細胞内カルシウム濃度の変動を利用した。Anti-sense Tg由来マクロファージは、低pHに対する応答性、炎症性サイトカイン産生ともに亢進していた。低pHに応答する分子としてナトリウムチャネルであるASICsや電位非依存性カルシウムチャネルTRPV1が候補に挙げられる。マクロファージでのこれらの分子の発現量をmRNAレベルで解析したところ、TRPV1は検出限界以下であり、マクロファージでは、ASIC2,3が存在している事が確認された。ASICsの阻害剤であるアミロリドを用いたところ、カルシウムの流入は部分的に抑制され、ASICの関与が推測された。ナトリウムチャネルであるASICによる細胞内カルシウム上昇には、ナトリウム/カルシウム交換体(NCXs)の関与が示唆されたため、阻害剤であるKB-R7943を用いたところ、アミロリド同程度部分的にカルシウムの流入を抑制した。従って、形質膜上のASIC2,3とNCXsの協調作業により低pHに対しマクロファージが機能していると考えられた。以上の結果より、低pHによるマクロファージの活性化機構を明らかにするとともに、アディポネクチンの炎症下でのマクロファージ活性調節機構を推測することができたと考えている。次年度は、アディポネクチンによる調節メカニズムを分子レベルで解析する予定である。
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Research Products
(5 results)