2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規依存性受容体UNC5Dによる神経芽腫細胞死制御機構の解析
Project/Area Number |
21591378
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
李 元元 千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 研究員 (00392259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 洋子 千葉県がんセンター(研究所), 主席研究員 (60260254)
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Keywords | 依存性受容体 / UNC5D / 神経芽腫 / アポトーシス / 分化 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究結果を踏まえ、神経芽腫の自然退縮におけるUNC5Dの機能的役割を検討することを目的とした。 手術によって摘出された神経芽腫から調整した細胞を用いて、神経成長因子NGFによる神経様細胞への分化誘導およびその後のNGF除去によってアポトーシス誘導の過程におけるp53、UNC5D、netrin-1およびE2F1の発現レベルを解析した。その結果、NGFを除くことによって誘導されるアポトーシスの際に、UNC5Dはp53とE2F1とともに発現上昇することが判った。一方では、netrin-1および他のUNC5ファイミリーメンバーは変化が見られなかった。また、ラット副腎褐色細胞腫由来の細胞株であるPC12細胞を用いた実験では、同様の結果が得られた。そして、UNC5ファミリーのリガンドであるnetrin-1を添加した条件下では、NGF除去によるアポトーシスの誘導が減少していることも判った。さらに、UNC5Dの自然退縮への関与を検討するため、自然に退縮した神経芽腫の腫瘍サンプルを用いて、免疫組織染色法を行った。その結果、UNC5Dは自然退縮が起きている神経芽腫細胞に発現上昇し、細胞核に局在していることが判明した。 これらの結果は自然退縮が起きている神経芽腫細胞において、UNC5Dが誘導され、さらに活性化したカスパーゼ3により切断された細胞内断片が細胞核に移行したことを示した。したがって、UNC5Dが神経芽腫における自然退縮の分子機構において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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