2010 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病の効果的治療法の開発と病因究明:分子遺伝学的基盤とプロテオーム解析
Project/Area Number |
21591397
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石井 正浩 北里大学, 医学部, 教授 (90222950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中畑 弥生 北里大学, 医学部, 助教 (20306591)
木村 純人 北里大学, 医学部, 助教 (40365151)
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Keywords | 川崎病 / 免疫グロブリン / ステロイドパルス / 分子生物学 / 冠動脈 / ブドウ球菌 / 江上スコア / RNA |
Research Abstract |
川崎病の効果的治療法の開発として初期の重症度の層別化および初期治療としてステロイドパルス療法を免疫グロブリン療法に加える強化療法の評価を行った。既にRNA発現を用いた層別化の妥当性および強化療法がRNA発現の面から効果的な事は分子生物学的手法を用いて説明している(Pediatr Res 2009)。今回は前視方的無作為試験を用いて臨床統計的に評価を行った。川崎病児262例に対して、代々から開発した重症度層別化スコアシステム(江上スコアJ.Pediatr 2006)を用いて重症例44例を抽出した。これらをランダムに割り付け、ステロイドパルス療法と免疫グロブリン療法併用群と免疫グロブリン単独療法群で比較をおこなった。エンドポイントは解熱とした。また、冠動脈合併症はZスコアを用いた標準化を行い評価した。エンドポイントの解熱を得られた者は、ステロイドパルス療法と免疫グロブリン併用療法群で有意に多かった。また、Zスコアによる冠動脈評価は、有意にステロイドパルス併用群において冠動脈への悪影響が少ない結果となった。この結果は、現在Pediatrics誌に投稿中である。しかし、これらの療法ににおいても不応例は存在する。それらの例に対して、インフリシキマブの投与を行っている。インフリシキマブはサイトカインを制御する事はよく知られているが、その他の作用は不明である。現在RNA発現解析および核着分子、血管増殖因子の解析中である。細菌層に関しては、川崎病児の頸部リンパ節穿刺液より、ブドウ球菌の培養に成功した。しかし、原因菌かどうか現在プロテオーム解析を用いて検索中である。
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Research Products
(13 results)