2010 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期の栄養因子による生活習慣病関連遺伝子のエピジェネティクス制御の異常
Project/Area Number |
21591409
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
室月 淳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (50239555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 多代 東北大学, 病院, 助教 (70375020)
荒木 慶彦 順天堂大学, 環境医学研究所, 准教授 (70250933)
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Keywords | 胎児発育遅延 / 成人病 / 子宮内環境 / エピジェネティクス / マウス |
Research Abstract |
前年度に行った妊娠マウスを用いた,自然交配後の妊娠マウス16頭を自由摂食(コントロール)群と摂食制限群(妊娠10.5日から19.5日まで自由摂食の70%に給餌制限する)に分けて飼育を行った.CpGアイランドのメチル化,特にT-DMRのマッピングが詳細に検討されているC57B1/6マウスを用いた.胎仔の肝および胎盤組織を採取して,mRNAの抽出とDNAマイクロアレイ法によって各遺伝子の発現をみた.コントロール群との相対的なシグナル比の比較により,栄養制限下にある組織において発現上昇または発現低下している遺伝子群をピックアップした結果では,IGF2,CDKN1C,MEG3などといった遺伝子が同定された.この中でもっともメタボリックシンドローム発症との関連性が高いと考えられるのはIGF2遺伝子であり,IGF2の多型と血圧(BP)などの心血管系パラメータとの関係が知られている.摂食制限群胎仔とコントロールの肝臓において,IGF2mRNA発現をリアルタイムPCRで比較したところ,前者での発現が有意に上昇していることが確認できた.改めてこれらから生まれたマウス新生仔を育て,収縮期BP,血漿中トリグリセリド,血漿中コレステロール,平均動脈圧,相対的心臓重量を指標として評価しているところである.さらには糖質・脂質代謝の恒常性とともに,その異常としての高脂血症や代謝異常の病態に関わる可能性を今後探っていく予定である
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