2009 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中の運動による胎仔脳の発達と生後の学習・情動行動における効果とそのメカニズム
Project/Area Number |
21591416
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 彰治 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (80112051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 晃教 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40363098)
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Keywords | 妊娠中の運動 / 妊娠中のストレス / 情動の発達 / 脳の発達 |
Research Abstract |
平成21年度は、妊娠中の運動として自発運動を妊娠ラットにさせて、情動行動の変化を観察した。自発運動は飼育ケージの中に回転ケージを入れて、妊娠全期間を通じて妊娠ラットが自由に運動できるようにした。 <方法> Sprague-Dawleyラットを用いた。オスラットと同じケージに入れたメスラットのスメアで妊娠を確認後、妊娠ラットを出産まで回転ケージで自発運動をさせた。コントロール群は通常飼育をした。生まれた仔が成熟後、15週齢でオープンフィールド(OF)、16週齢で高架式十字迷路(EPM)、17週齢で強制水泳(FST)を行った。 <結果> OF:運動群(n=4)はコントロール群(n=3)に比べ、中心での活動量、全活動量のうちの中心での活動量割合が有意に増加した。 EPM:運動群(n=6)はコントロール群(n=6)に比べ、open armの進入回数と滞在時間(および全体に対するそれらの割合)が有意に増加した。 FST:運動群(n=6)はコントロール群(n=6)に比べ、無動時間が有意に長かった。 <考察> 行動実験のOFとEPMでは、運動群は不安行動の減少を示したが、FSTでは無動時間が逆に長くなっていた。FSTにおける無動時間の延長は、うつ行動の増加と一般的に解釈されるので、OFおよびEPMにおける不安行動の減少とは矛盾する結果にみえる。今後は、この矛盾にみえる点について検討するために、うつ行動を評価する他の方法も実施する必要がある。さらに、学習行動についても検討する予定である。
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Research Products
(2 results)