2009 Fiscal Year Annual Research Report
毛包特異的癌抑制遺伝子ノックアウトマウスの作製:癌幹細胞の制御を目指して
Project/Area Number |
21591435
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村上 信司 Ehime University, 医学部附属病院, 講師 (50175626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 聡史 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50419511)
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Keywords | 癌 / 血管新生 / 細胞増殖 / リンパ管 / 転移 |
Research Abstract |
癌の克服において、抗癌剤に対する耐性と転移は大きな課題である。癌幹細胞は、薬剤耐性と増殖能を持ち、癌微小環境では血管に隣接して存在することが示唆されている。従って、癌幹細胞の生物像を理解し得る動物モデルの開発は、癌の病態を解明する上で極めて重要な課題である。皮膚の幹細胞は毛包に存在し、その発現分子はケラチン15である。本研究課題では平成21年度、ケラチン15プロモーター下で癌抑制遺伝子Ptenを破壊するモデル・マウス作りに着手した。 (1) D15-CrePGR(C57BL/6)の作製 Jackson Laboratoryが分与するK15-CrePGRは、系統C57BL/6・SJLである。従って、本研究課題ではあらかじめC57BL/6と交配し、新たな系統K15-CrePGR(C57BL/6)を作製した。 (2) Cre-loxPシステムによる表皮特異的Ptenコンディショナル・ノックアウト・マウス(K15-CrePGR/PTEN^<□□□>)の作製: 今回、Cre-loxPシステムを用いたケラチン15(K15)プロモーターによるバルジ特異的コンディショナル・ノックアウト・マウスを作製した。これは、K15プロモーターにより発現したCre-recombinase活性により、あらかじめloxP siteを挿入したPTENを、DNAレベルで破壊,除去したものである。 (3) Creリコンビナーゼ発現誘導: K15-CrePGRトランスジェニックマウスは、プロゲステロン拮抗阻害剤RU486を皮膚に塗布することにより、Creリコンビナーゼの発現を誘導することが可能である。生後8週齢(first telogen)、雄雌のマウスに、5日間にわたりRU486を塗布して発現誘導した。 (4) 自然発癌誘導:K15-CrePGR/PTEN^<△/△>における発癌過程を、現在観察中である。
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Research Products
(2 results)