2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノニードルを用いる皮膚を標的とする効率的な薬剤供給戦略
Project/Area Number |
21591452
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
花田 勝美 弘前大学, 医学部附属病院, 附属病院長 (80091627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 大輔 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60196334)
松崎 康司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50322946)
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Keywords | ナノニードル / 皮膚 / 核酸 / 蛋白質 / 合成化合物 / デフェンシン / フィラグリン / 治療 |
Research Abstract |
治療効果のある分子を標的となる臓器に効率よく供給するデリバリーシステムの開発は、治療法を飛躍的に進歩させ得る.皮膚を母地とする種々の難治性疾患があり、それに対して有効と考えられる薬剤は多いが、皮膚への導入がうまくいかず臨床応用されていない.そのため皮膚に効率よく薬物を供給するシステムが開発されればおおきなブレークスルーとなる.そこで我々は、皮膚疾患の治療に有効と考えられる高分子化合物、核酸、蛋白をこの角層のバリヤー機能を破壊することなく、効率よく皮膚に供給する新しいシステムであるナノニードル法の開発を試みる。本年度は、蛋白の皮膚への導入基礎実験を行った。βデフェンシン2、βデフェンシン3遺伝子とフィラグリン遺伝子を組み込んだ発現ベクターを作成した。さらに、そのベクターでステーブルの細胞株を作成し、その細胞から大量にリコンビナント蛋白を作成した。その蛋白に関してナノニードルを用いて、ラットとマウスの皮膚への導入を行い、それらの蛋白の発現を検討した。さらに、ルシフェラーゼ遺伝子の発現ベクターを作成し、そのDNAをナノニードルを用い、ラットとマウスの皮膚に導入、同様にルシフェラーゼの発現を検討する実験も検討した。ナノニードルの針の大きさや深さ、その材質についての検討、さらに薬物、DNA、蛋白で異なることが予想され、さらなる検討が必要との結論であった。来年度は、さらに別の蛋白、DNAさらに近年RNAの研究も盛んになってきたので、短いRNAに関しても検討する予定である。研究は順調に進み、来年度も継続する。
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