2011 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症患者におけるニューレグリン1機能の多角的解析
Project/Area Number |
21591491
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
岸本 年史 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60201456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
法山 良信 奈良県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20305725)
木内 邦明 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20398449)
田岡 俊昭 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30305734)
坪井 明夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20163868)
牧之段 学 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00510182)
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Keywords | ニューレグリン / 統合失調症 / 末梢神経伝導速度 / 拡散テンソル画像 / iPS細胞 |
Research Abstract |
奈良県立医科大学精神科及び奈良県内の精神科に入院・通院中の統合失調症患者(診断はDSM-IV-TRによる)、本研究の主旨に賛同する健常対照者の病歴、経歴を調査し、各々の唾液を採取して、理化学研究所分子精神科学研究チーム、副チームリーダー:山田和男(国内研究協力者)に送付し、DNAを抽出する。抽出したDNAをベルゲン大学のB.Havik(海外研究協力者)に送付し、ニューレグリン1の多型解析を行う。その結果から、ニューレグリン1のハプロタイプ(Icelandic Haplotype:HapICE)を有する統合失調症患者、有さない統合失調症患者、有さない健常者を抽出して3群に割り付ける。次にそれぞれの腓腹神経の伝導速度の測定、拡散テンソル画像の撮影、嗅覚の測定、採取した皮膚からiPS細胞を作製し神経細胞・オリゴデンドロサイトなどに分化させてその様態・機能を解析する。これらにより統合失調症においてニューレグリン1-ErbBシグナルがどのような働きをしているのかを多角的に検討していくことを目的としている。現在、統合失調症患者201名、健常対照者203名の唾液の採取は終了し、唾液からのDNA抽出も終了しており、ニューレグリン1遺伝子の多型解析を行っているところである。解析が終了次第、上記の通り3群に分け、末梢神経伝導速度、頭部MRI拡散テンソル画像の解析、嗅覚の測定を行っていく。一部の対象者から皮膚生検を行い皮膚線維芽細胞を得て、iPS細胞の作製を行っている。iPS細胞から神経細胞等への分化誘導についても同時に進行中である。
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