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2009 Fiscal Year Annual Research Report

高次脳機能障害患者の呈する社会不適応要因の抽出についての研究

Research Project

Project/Area Number 21591505
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

米村 公江  Gunma University, 医学部, 講師 (40241872)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 福田 正人  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20221533)
服部 卓  群馬大学, 医学部, 助教 (30241897)
Keywords脳神経疾患 / 臨床 / 高次脳機能障害 / 社会復帰 / 脳機能画像検査 / 器質性精神障害
Research Abstract

高次脳機能障害患者が社会復帰を行う場合、脳形態画像上の異常がない、または軽微な患者でも、器質性精神障害により大きな困難を呈していることが多い。このような、社会復帰が困難となっており、生活障害・社会適応困難を呈する高次脳機能障害患者(軽症から中等症)の精神症状を、神経心理学的検査を併用して評価し、注意障害、意欲障害、感情障害、人格障害と、脳の器質的変化および機能的変化がそれらの精神症状と関連があるか、責任病変と考え得るかを検討し、生活障害・社会復帰困難をもたらしている因子を抽出する目的で当研究を実施している。具体的には、当研究に対して文書で同意を得られた患者さんに対し、精神症状の評価ののち、神経心理検査・頭部MRI(または頭部CT)・脳血流SPECT・NIRSの検査を実施した
今年度はエントリー者数が少なかったため、現時点では統計的な処理が行えていない。
一方、この様な検査を実施したことで得られた情報が、治療的であった例があったので、代表的な症例の概要を述べる。交通外傷の1年半後、易怒性のため家庭内トラブルが続き、家族からの依頼で精神科受診となったケースである。受傷後半年で、脳外科的には問題なし、といわれていた。精神科的診断は、器質性パーソナリティ障害であった。神経心理検査にて、前頭葉障害と、軽度の記憶障害とが認められた。頭部MRIでは、萎縮や白質病変を含めて異常がないと判断されたが、脳血流SPECTにて海馬領域の血流低下や、前頭葉下部の血流低下が指摘され、神経心理検査との矛盾しない結果だった。本人も周囲も気づいていなかった記憶障害と前頭葉機能障害があること、それを支持すると思われる脳機能画像検査の結果がわかったことで、ご本人も家族も、高次脳機能障害の存在を理解でき、周囲の家族などが本人への対応を変化させる事ができ、その結果本人の負担が軽減され、易怒性も改善傾向になった。このような症例は今後も蓄積されていくと思われ、症例が十分数集まった時点で統計学的解析を行いたい。(なお、上記症例は平成22年度の関連学会で発表する。)

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Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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