2009 Fiscal Year Annual Research Report
胸部CTにおけるX線線量:線量低減効果の客観的評価を用いた最適化
Project/Area Number |
21591559
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 武 Kyoto University, 医学研究所, 助教 (20464216)
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Keywords | エックス線 / CT / X線線量低減 / 自動線量調節機構 |
Research Abstract |
1.自動線量調節機構を用いたX線線量低減シミュレーションによる診断能評価 本研究の主たる課題はCT画像におけるX線量低減とその画像診断結果に対する影響である。画像診断結果比較のために、スキャンデータを集積し、それに基づき低線量シミュレーション画像作成を行った。現在CT線量低下には自動線量調節機構を用いるのが有用であることが示されているので、今回の検討では自動線量調節機構使用下での低線量画像シミュレーションを用い、より現実の環境に近い形での検討を目指した。プロジェクションデータでのシミュレーションにより、ノイズレベルSD=21相当の画像を作成し、これを標準的線量SD=8.5の画像と比較を行った。診断結果の比較により低線量シミュレーション画像において、小結節の描出能に有意な変化がないことが明らかになった。このことにより、悪性腫瘍フォローアップ時に転移性肺腫瘍のスクリーニングをはじめとした各種胸部CT検査における線量低下の可能性が示された。また、自動線量調節機構を用いた線量推定をコンピュータにより自動化するためのテクニックを開発し報告した。 2.診断能評価の精密化と読影効率評価 画像診断能比較の精密化を目的とし、画像ビューアを用いた読影結果記録法を開発した。この方法により、従来のスコアシートなどによる読影結果評価と比較し、異常所見を発見した場所、サイズを正確に記録、対比することにより、読影結果の客観的評価が可能になる。また、X線量低減に伴う画質低下により、診断能ばかりでなく、診断効率低下が懸念されるが、診断効率評価の客観的指標として、上記の読影結果記録に、異常所見発見に要した時間を同時に測定する機能を付加した。診断能と診断効率の両者を同時に比較することにより、総合的な低線量画像の有用性評価が可能となった。
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