シネMRによる肺高血圧症例の肺動脈収縮期圧・体肺循環の短絡量測定とその臨床的意義

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21591570
• Research Institution: University of the Ryukyus
• Principal Investigator: 村山 貞之 University of the Ryukyus, 医学部, 教授 (60239548)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 垣花 泰政 国立大学法人琉球大学, 医学部, 助教 (20185713) ; 神谷 尚 国立大学法人琉球大学, 医学部, 助教 (60363678)
• Keywords: cine MRA / MRI / 肺高血圧 / 肺線維症 / 肺動脈血流量

Research Abstract

Phase contrast cine MRAによる肺高血圧患者の血行動態、特に肺循環-体循環のシャント量につての研究の1年目の報告である。今年度は、まず詳細な文献的考察を行った。それより肺動脈血流量が10%ほど少なく、その原因は冠動脈循環、気管支動脈-肺動脈シャントによるものであると考えられていることが判明した。肺動脈、大動脈の一心拍量の差、すなわち肺循環-体循環のシャント量について肺線維症患者と健常者を比較した。また、通常呼吸時と息止め時の血流量、シャント量の変化についても検討した。症例数は11例で、比較した正常者も11例である。但し、肺線維症患者のうち2名のみが臨床的に肺高血圧と診断されていた。
現在までの結果であるが、肺動脈血流量も大動脈血流量も肺線維症患者で有意に減少した。また、息止めを行うと胸腔内圧が上昇するため、血流量が減るが、肺動脈血流量、大動脈血流量ともに健常者・肺線維症患者ともに減少することがわかった。また、シャントも肺線維症患者においても存在し、息止めにおいてもシャント量は存在した。
このように、肺線維症患者の肺循環、体循環の血行動態について解明できつつあるが、現在の症例数は11例であるので、より正確な結論を導くため、さらに症例数を増やしていく。