2011 Fiscal Year Annual Research Report
NASHのSPIO-MRIによる評価:クッパー細胞機能とCD14抗原との関連
Project/Area Number |
21591584
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
藤本 公則 久留米大学, 大学病院, 准教授 (00199366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東南 辰幸 久留米大学, 医学部, 講師 (40268892)
川口 淳 久留米大学, バイオ統計センター, 講師 (60389319)
河原 明彦 久留米大学, 大学病院, 臨床検査技師 (00469347)
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / MRI / CD14 / CD68 / Kupffer細胞 / 病理像 |
Research Abstract |
平成21~22年度に計画した研究は滞りなく終了し、(3)「Kupffercell(KC)の免疫染色(CD68、CD14)の発現と病理学的所見(炎症・壊死、線維化)との関連性を解析」の再評価と重み付けを行い、研究結果と考察を確たるものとした。 SPIO-MRIおよび肝組織診断が可能であった32人の患者(NASH24人、単純性脂肪肝8人)を対象とし、SPIO-MRIから得られたLMR%(肝-筋信号強度低下比)にてKC貪食能を推測し、その値と肝病理組織にてBrunt分類(線維化、炎症の評価)とCD68、CD14による免疫化学染色の結果との相関を検討した。その結果、SPIO-MRIを用いて推測したKC貪食能は、病理組織学的に評価したNASH病勢およびCD14陽性KC数と有意な相関を認めた。NASHの病因論としてKC貪食能低下が挙げられているが、我々の結果は、これを強く支持した。さらに非侵襲的検査法であるMRIによって比較的侵襲性の高い病理組織の結果を推測できることは、今後、NASH患者の診療に恩恵を与えるものと思われる。 以上の研究成果の一部は、国内の研究会で特別講演、一般口演、核磁気共鳴医学会のシンポジウムで発表し、国際誌であるJournal of Gastroenterology and Hepatology(2010 IF=2.41;5-year IF=2.35)に投稿、査読を得て平成23年11月30日に掲載許可として受理され、平成24年4月に掲載された。さらに附加データから得られた研究結果を国際オンライン誌であるPLoSOne(2010 IF=4.411;5-year IF=4.61)に投稿、査読を得て平成24年2月23日に掲載許可として受理され、平成24年3月16日に掲載された。 以上、当該年度の研究実施計画としてあげた「成果を国内ない海外の学会で発表、さらに英語論文化し国際学会誌へ投稿する」ことを確実に行い得た。
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