2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591616
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
坂田 耕一 Sapporo Medical University, 医学部, 准教授 (10235153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 克 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10404716)
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Keywords | 放射線増感 / DNA 2重鎖切断 / 相同組換え修復 |
Research Abstract |
今年度は、放射線増感剤ギメラシルの放射線増感効果の様々な性質について、研究を施行した。 1. ギメラシルのDNA-PK活性および細胞周期に与える影響: 5つの細胞株においてDNA-PK活性に対するギメラシルの影響を調べたが、コントロール群とギメラシル添加群において差を認めなかった。またギメラシルは細胞周期に対して影響を与えなかった。 2. SCneoアッセイ法によるギメラシルの相同組み替え修復に与える影響 ギメラシル添加によりG418(ネオマイシン)耐性細胞がHeLa細胞で17%、DT-40で16%減少することが示された。相同組み替えによるDNA二重鎖切断修復がGimeracil添加により抑制されていることを示している。 3. 細胞周期とギメラシルの放射線増感効果の関係、分割照射を行った場合の放射線増感効果: DLD-1細胞を使用しノコダゾールによる細胞周期の同調を行った場合、添加16時間後にG2/M期、6時間後にG0/G1期、12時間後にS期に最も多く同調された。それぞれの周期にてギメラシルによる放射線増感効果をしらべたが、S期に同調させた場合に最もギメラシルの放射線増感効果が高い事がわかった。1回2Gyの分割照射とギメラシルの放射線増感効果との関係を検討した。照射回数(総線量)が多くなるに従ってコントロール群と比較した場合のギメラシル添加群の放射線増感効果が大きくなっていく結果が得られた。 今後は、ギメラシルのDNA2重鎖切断の相同組み替え修復機構の分子メカニズムを解明することを目標とし、ギメラシルによる細胞内ヌクレオチドプールに対する影響をみるため、ギメラシル投与前後でのヌクレオチドプールの変化をHPLCで測定することを予定している。また、他のヌクレオチド代謝阻害剤の放射線増感効果を検討する予定である。
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