2011 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の放射線療法・化学療法の治療効果予測に関する分子生物学的・病理組織学的研究
Project/Area Number |
21591617
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
早川 和重 北里大学, 医学部, 教授 (70114189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒋 世旭 北里大学, 医学部, 講師 (70276153)
三藤 久 北里大学, 医学部, 講師 (40260856)
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Keywords | 肺癌 / 放射線療法 / 定位放射線治療 / 分子標的薬 / EGFR / 化学放射線療法 |
Research Abstract |
1.末梢型I期非小細胞肺癌に対する定位放射線治療成績の検討 末梢型I期非小細胞肺癌49例に対する導体追跡照射法を用いた体幹部定位放射線照射(SBRT)の治療成績を分析し、動体追跡照射法の有効性ならびに今後の課題について検討した。その結果,有害事象はgrade3の放射線肺臓炎が2例にみられたのみで、全生存率は2年79%、5年63%、疾患特異生存率は2年89%、5年74%、局所制御率は2年88%、5年72%と良好であった。組織型では扁平上皮癌の治療成績が不良であり、理由として、総治療期間が短いため、分割照射効果の一つである再酸素化が起こりにくいことが一因と考えられた。 2.EGFR変異の特異的抗体を用いた免疫組織化学検討 平成21,22年度の研究でdirect sequencingにてEGFR遺伝子変異を解析した134症例の肺癌を対象に、EGFR exon 19のdelE746-A750に特異性のある6B6抗体とexon 21のL858R変異に特異性のある43B2抗体の免疫染色を行った。6B6抗体の免疫染色では、direct sequencing法にて確認した11例のE746-A750症例のみが陽性であった。Direct sequencingにて確定した18例のL858R症例は全て43B2免疫染色陽性であったが、direct sequencingにて変異が検出されなかった4症例にも部分的な陽性染色像を認めた。何れの抗体も、特に6B6抗体は相応のEGFR変異に対する特異性と感度が極めて高かったため、TKI投与症例のスクリーニングに有用であると考えられた。また、7/11の6B6陽性症例と22/22の43B2陽性症例においての発色はheterogeneousであり、明らかな陽性部分を認める一方、弱陽性や陰性の部分も混在しており、肺癌におけるEGFR遺伝子変異のヘテロジェネイティが示唆された。
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Research Products
(7 results)