2010 Fiscal Year Annual Research Report
5型コラーゲンα3鎖が有する癒着防止に関する新機能の解明とその応用
Project/Area Number |
21591672
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
住吉 秀明 東海大学, 医学部, 奨励研究員 (60343357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 哲孝 大分大学, 医学部, 准教授 (10284788)
吉岡 秀克 大分大学, 医学部, 教授 (00222430)
濱中 良志 大分大学, 医学部, 助教 (60274750)
岡本 修 大分大学, 医学部, 講師 (40284799)
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Keywords | 癒着防止 / V型コラーゲンα3鎖 / 組織線維化 / コラーゲン発現調節 |
Research Abstract |
V型コラーゲンα3鎖(以下α3(V))が有する癒着防止がどのような機序で起こっているかを調べるため、実験計画に基づき以下の実験を行った。 (1)コラーゲンα3(V)と、ヘパリン硫酸、コンドロイチン硫酸鎖の電子顕微鏡上での免疫二重染色。 (2)培養細胞におけるα3(V)鎖強制発現と培養下で合成されるコラーゲン線維の形態観察。 (3)α3(V)鎖によるバイオアッセイ法の検討。繰り越し分は(2)(3)について詳しく記述する。 (2)PCRによりα3(V)遺伝子の全領域のDNA断片を組み、pcDNA3ベクター上に組み込んでα3(V)発現ミニジーンを得た。これを、NIH3T3細胞に導入し、コラーゲンスポンジ上で培養を行い、培養後に電子顕微鏡で観察を行った。しかしながら培地中にα3(V)産生はみられるものの、培養担体上へのコラーゲン蓄積を遺伝子導入の有無に関わりなく認めなかった。これは、分泌されたコラーゲンを線維に束ねるために細胞以外の要素が必要であることを示している。このことは新たな事案として検討されるべき課題である。 (3)大腸菌発現ベクターを用いて、α3(V)の機能ドメインであるヘパリン硫酸結合領域の蛋白を作製し、培養シャーレ上にコーティングして、初代線維芽細胞に対するバイオアッセイを行ったところ、強い細胞接着活性、細胞伸展活性が確認された。細胞増殖には影響しなかった。α3(V)による細胞の伸展はポリリジンより、細胞の触手が星状に長く伸展するなど、より生体に近い特徴がみられた。この蛋白をマウス個体創傷部へ投与したが特別な効果は見られなかった。今後ネイティブなα3(V)による試験が必要である。
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Research Products
(3 results)