2010 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌肝臓転移制御をめざしたRAS・TGFベータ経路活性化の検討
Project/Area Number |
21591731
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
渡辺 昌彦 北里大学, 医学部, 教授 (80146604)
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Keywords | 大腸癌 / TGF-beta / PRL-3 / K-ras / 肝転移 |
Research Abstract |
われわれは大腸癌肝転移制御を目指したRAK,TGF-beta経路の制御に関して研究をすすめている。大腸癌転移において60%を占める肝転移はK-ras,TGF-betaの両経路の異常が重要であると考えている。当初大腸癌K-ras活性化マーカーとしてレクチン一糖鎖を同定する予定であったが、大腸癌におけるK-ras変異の予後解析により若年結腸癌をのぞく大腸癌ではK-ras有無により予後に差がないことから、現実には80%以上の大腸癌でK-ras経路に異常があることが明らかになった。したがって、現在の目標はK-ras変異により引き起こされる異常を標的とする分子同定に変更した。K-ras変異株より遺伝子組み換えで変異を除いた細胞株を入手して表現型を比較検討中である。また、TGF-beta経路に関しては、大腸癌ではほとんどの細胞でその不活化が起こっていることが確かめられ、その結果PRL-3遺伝子発現増強につながり転移能を増強することが明らかになってきた。したがって、PRL-3遺伝子の発現および遺伝子増幅の臨床病理学的異常を現在検討している。最終的にはK-ras,PRL-3の異常のあるなしでどのような表現型の違いになるかを明らかにし両者の肝転移治療標的としての可能性を明らかにしていきたい。
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Research Products
(2 results)