2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌EMT関連miRNAの同定とRedoxによるそのmiRNA制御機能の解明
Project/Area Number |
21591776
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高畑 俊一 九州大学, 大学病院, 助教 (50437779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 英司 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30264021)
上田 純二 九州大学, 大学病院, 助教 (90529801)
堤 宏介 九州大学, 大学病院, 医員 (00467937)
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Keywords | 膵癌 / EMT / miRNA / Redox |
Research Abstract |
平成22年度までには、本研究課題における癌EMT関連miRNAの同定とRedoxによるそのmiRNA制御機能の解明に対して研究実施計画に基づき以下の成果を挙げた。 マイクロアレイ解析の結果より、膵臓癌で特異的に抑制あるいは高発現している特定のmiRNAを複数同定した。 1.miR-17-5pは、膵癌において高発現しており、膵癌細胞においてEMTの特徴である浸潤能を促進することを示した。また、増殖も促進することが判明し、予後不良因子であることも示した(Cancer Biology & Therapy誌)。 2.miR-200cは、E-cadherinの発現を亢進させることでEMTを抑制し、浸潤を抑制することが判明した。miR-200c高発現症例は有意に予後良好であり、EMTを抑制することによる膵癌の浸潤・転移の抑制に重要な役割を果たすことを証明した(Molecular Cancer誌)。 3.miR-203は高発現症例は有意に予後不良であり(Annals of Surgical Oncology誌)、現在その機能について更に詳細な研究を進めている。 4.他にもEMTに関連するmiRNAを複数同定しており、現在それらの機能解析を進めている。ある特定のmiRNAのprecursor導入により、膵癌細胞が線維芽細胞様の形態へと変化し、E-cadherin上昇、Vimentin低下というEMT抑制の特徴を呈していることを確認している。また、このmiRNAを用いることにより膵癌の転移、浸潤を抑制し、その予後を改善する可能性も示唆された。FFPEサンプルを用いたmiRNA定量的解析の結果、このmiRNAが膵臓癌症例において有意に正常膵組織に比べて低下していることも同定した。 現在、更に候補として判明している他のmicroRNAを含め、機能解析や予後との関わりについて検討を進めている。
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Research Products
(4 results)