2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591793
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 大祐 信州大学, 医学部, 講師 (80359728)
和田 有子 信州大学, 医学部, 助教 (30419410)
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Keywords | 心臓腫瘍 / 心臓粘液腫 |
Research Abstract |
本邦においてこれまで心臓腫瘍に関する疫学的調査は、まとまったものが行なわれていなかったため、本研究では心臓腫瘍の全国的な疫学的調査をおこなうとともに、その成果を『心臓腫瘍学』として出版することを目的としている。 平成22年度は、平成21年1~12月の間、どのような心臓腫瘍が全国的に経験され、その診断や治療ならびに予後について、日本胸部外科学会、日本循環器学会研修施設1,789病院に対してはがきによる1次調査、さらに心臓腫瘍を経験したと回答を得た病院に対する詳細な2次アンケート調査を実施した。その結果、1次調査では806施設(45%)より回答を得、そのうち、心臓腫瘍を経験した施設が326施設、経験していない施設が480施設であった。1次調査で、心臓腫瘍を経験したと回答のあった326施設に対する2次調査では、199施設(61%)から回答を得た。その結果、はがきによる1次調査では、原発性心臓腫瘍が502例報告され、そのうち心臓粘液腫が332例、乳頭状線維弾性腫が46例、悪性リンパ腫が43例、その他が81例であった。また、2次調査の結果では、原発性心臓腫瘍が306例、転移性腫瘍75例、合計381例であった。このアンケート調査の詳細については、平成23年度に検討する予定である。 アンケート調査と並行して『心臓腫瘍学』として成書として出版する準備を行った。心臓腫瘍の分類としてこれまで広く用いられてきたWHO分類(2004年)とはことなる観点から、心臓腫瘍を、(1)良性腫瘍、(2)悪性腫瘍、(3)異所形成/異所性組織腫瘍、(4)大血管の腫瘍に分類し、それぞれの腫瘍を経験したか、造詣の深い執筆者を選び、原稿の作成を依頼し、現在執筆中である。
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