2011 Fiscal Year Annual Research Report
心臓手術における心房性ナトリウム利尿ペプタイドの抗不整脈効果に関する研究
Project/Area Number |
21591805
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
瀬在 明 日本大学, 医学部, 講師 (70350006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩野 元美 日本大学, 医学部, 教授 (20170847)
秦 光賢 日本大学, 医学部, 講師 (00350017)
笠巻 祐二 日本大学, 医学部, 講師 (60318409)
中井 俊子 日本大学, 医学部, 助教 (80366591)
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Keywords | 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
心房性ナトリウム利尿ペプタイド(以下hANP)は、心不全治療薬として日本で開発され、その効果が循環器内科領域では明らかにされています。当施設では本薬剤を用い、心臓手術時における低用量持続投与法を国際的に初めて行い、NU-HIT trialとして前向き研究を行ってきました。その結果から心臓手術時での体外循環の欠点を補う効果、つまりレニンアンギオテンシン系の抑制作用、強力な利尿効果、third spaceへの水分貯留抑制作用、左室リモデリング抑制作用について明らかにしました。またNU-HIT trialの経験からhANP使用例では術後心房細動の発生が少ないことを認めました。しかし、そのメカニズムについては不明であり、本研究の目的は、心臓手術時のhANP使用が術後の心房細動をいかに抑えるのかを検証することでした。 【研究結果】心房細動発生率は、hANP群12,2%、placebo群32.7%とhANP群が有意に低率でした。まらhANP群では、術後のangiotensin-II、aldosterone、虚血biomarker、BNPが有意に低く、cyclic-GMPは有意に高い結果をえました。hANPが心房細動の発生を抑えた理由として、1)レニンアンギオテンシン系抑制効果、2)抗虚血作用、3)利尿作用による容量負荷改善作用、4)cGMPをa介した心筋Ca2+過負荷を抑える効果が考えられました.そのことから、hANPが心房細動のアップストリーム治療の1つとして新たに加えられる可能性が示唆されました。
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Research Products
(22 results)