2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591834
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
杉田 正夫 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (70235886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 博之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30241623)
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Keywords | 脳虚血 / 脂肪酸結合蛋白 / 神経新生 / 神経細胞保護 |
Research Abstract |
平成21年度は主に脳型脂肪酸結合蛋白(B-FABP)についての研究をおこなった。 【目的】B-FABPは、脂肪酸の細胞内への取り込みのみならず、細胞の成長や分化に重要な役割を果たすことが解明されつつある。そこで、われわれは、一過性前脳虚血後のB-FABPの発現を検討し、更にB-FABPノックアウトマウスを用いて、虚血性神経細胞障害および虚血後神経新生における役割について検討した。【方法】前脳虚血モデルは、両側総頸動脈を30分間閉塞し作成した。虚血性神経細胞障害は、虚血3日後の海馬を組織学的に評価した。虚血脳でのB-FABPの発現は、免疫組織化学的に検討した。新生細胞のマーカーにはbromodeoxyuridine(BrdU)を使用し、虚血後7日間連続投与した。虚血8日後、および28日後に灌流固定・断頭し、B-FABP、BrdUおよび各種神経細胞マーカー(Nestin, NeuN, GFAP)による多重蛍光免疫染色を行い、海馬歯状回顆粒下層(SGZ)を観察した。【結果】虚血後3日目での海馬の虚血性神経細胞障害は、CA2-3部に強い傾向があり、さらにその傷害の程度はノックアウトマウスで強い傾向があった。前脳虚血8日後、傷害部位周囲のグリア系細胞(radial glial cell)およびSGZでB-FABPの発現亢進を認めた。SGZにおいて、多くのB-FABP陽性細胞はBrdUおよびNestinと共陽性であったが、GFAPとは共陽性を示さなかった。Wild typeマウスでは、虚血後、SGZのBrdU陽性細胞数が584.2±185.1/mm^2(n=5)と著明に増加したが、ノックアウトマウスでは362.8±92.6/mm^2(n=5)であり細胞新生を抑制した。虚血後28日目でも同様に細胞新生の抑制を認め、さらに虚血群で、ノックアウトマウスでは、Wild typeマウスに比べNeuNに分化しているBrdU陽性細胞数の割合が減少している傾向を認めた。【考察】B-FABPは幼若神経細胞に発現し、虚血後神経新生、および分化において重要な役割を担っている可能性が示唆された。
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