2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591848
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nagasaki Medical Center |
Principal Investigator |
諸藤 陽一 Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nagasaki Medical Center, 脳神経外科, 医師 (40437869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健太郎 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40404222)
宗 剛平 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80530427)
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Keywords | statins / blood-brain barrier / tight junctions / claudin-5 / brain endothelial cells |
Research Abstract |
脳卒中の発症と予後に密接に関与する血液脳関門(Blood-brain barrier ; BBB)に対するスタチンの作用は未だ判明していない。そこで、我々はラット脳より分離した脳血管内皮細胞を用いてin vitro BBBモデルを作製し,ピタバスタチンがBBBに与える影響を検討した。(結果)ピタバスタチン投与により,経内皮電気抵抗(TEER)は有意に上昇し,その効果は10^<-8>Mで最大となった。傍細胞輸送の指標であるNaFの透過性を有意に抑制していたが,経細胞輸送の指標であるEBAの透過性に変化は認めなかった。ピタバスタチン投与群では,蛍光免疫染色にてクラウディン-5は細胞膜上に強く発現しており,ウェスタンブロッティングでもその蛋白量レベルは有意に上昇していた。しかし,クラウディン-5のmRNAレベルに変化は認めなかった。ピタバスタチン投与によるTEER上昇は,GGPPを添加することで消失したが,FPP投与では消失しなかった。 今回の結果より,ピタバスタチンが脳血管内皮細胞においてクラウディン-5の発現を介してBBB機能を強化していることが明らかとなった。その機序として,メバロン酸カスケードの中間代謝産物であるイソプレノイド群の中でもGGPPが重要な役割を果たしている可能性が示唆された。今回の実験で使用したピタバスタチンの濃度は臨床上、ヒトで得られる血中濃度と同等であり,今後スタチンが様々な中枢神経系疾患の治療へ応用される可能性があると考えている。 上記内容を国際学会で発表するとともに、学術論文として発表した。
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