2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591876
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
村田 英俊 横浜市立大学, 医学部, 助教 (40398524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 洋 横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (40244496)
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Keywords | 脊髄損傷 / 病態 / 治療 / 再生 |
Research Abstract |
昨年度から継続して、ラットの非骨傷性頸髄損傷モデルを作成し、同脊髄損傷の病態と治療を検討している。運動機能の維持可能な期間を2群にわけ、短期圧迫(EC)群(2週間圧迫:脊髄変性なし)と中期圧迫(MC)群(10週間圧迫:脊髄変性あり)にわけて、非骨傷性頸髄損傷を作成した。これまでの結果から、EC群に比べMC群で損傷が大きく、EC群では灰白質に損傷が集中するのに対し、MC群では灰白質以外の白質にも損傷が広がる傾向があった。それは、脊髄変性のない状態では、圧迫部の髄節障害を示す傾向にあり、脊髄変性が生じはじめると、その周囲の索路障害も生じてくる傾向があると判明した。すなわち、潜在する脊髄変性の程度が、頸髄損傷にも大きく影響していると考えられた。そこでまず、EC群(脊髄変性がおきていない状態)を用い、損傷後の治療効果について検討した。受傷後、未処置群、ステロイド投与群、除圧(椎弓切除)群(受傷直後、3日目、7日目)で、運動機能(ローターロッド、前肢、後肢筋力)を測定した。損傷のばらつきはあるが、少数の各群では有意差は得られなかった。神経所見や病理学的変化も後屈負荷の一次損傷が大きな因子を占め、その後の治療に大きな差はないように思われた。一方で、除圧群で損傷が軽微となるものがあり、除圧による2次損傷を予防できた可能性もある。モデル作成上のテクニカルなばらつきを低減させ、更なる検討を行いたい。本年で助成終了となるが、実験を継続し、一定の結論を得て臨床へと還元できるよう努めたい。
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