2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591877
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
松谷 雅生 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (90010454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 亮 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90237678)
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Keywords | 胚細胞腫瘍 / 癌 / 脳・神経 / シグナル伝逹 |
Research Abstract |
1. 本年度はまずWntシグナル伝達系の主要分子であるWnt5aとβ-Cateninについて、ホルマリン固定パラフィン包埋組織片を用いた免疫組織化学染色の条件を決定した。用いた抗体は抗Wnt5a monoclonal抗体(3D10、abcam)と抗β-Catenin c-terminal抗体(polyclonal, Cell Signaling)である。 2. 陽性コントロールには大腸癌と肺腺癌を用いた。 3. 27例28検体の頭蓋内胚細胞腫瘍について染色を行った。組織型の内訳は、germinoma 15例16検体(1例は初発と再発)、germinomaとimmature teratomaのmixed tumor 2例、immature teratoma 7例、immature teratomaと卵黄嚢腫瘍、絨毛癌、胎児性癌などのmixed tumor 3例である。 4. Wnt5aの発現は27症例28検体全てにおいて陽性で、細胞膜および細胞質に発現していた。 5. β-Cateninはimmature teratomaおよびそのmixed tumor全てにおいて発現していた。特に腺管構造を示す部分の細胞膜と、卵黄嚢腫瘍の細胞質ならびに核に強発現が見られた。一方germinomaにおいては全例発現が見られないかごく淡い染色を示すのみであった。 6. 更にWntシグナルに関与する他の分子の発現の解析を進める予定であるが、β-Cateninは特に従来存在しないimmature teratomaのマーカーとなる可能性が示唆された。
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