2011 Fiscal Year Annual Research Report
キレート硬化型骨セメントをスキャフォルドとした再生骨の脊椎固定術への応用
Project/Area Number |
21591905
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 守雄 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (40209656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 守 明治大学, 理工学部, 教授 (10255713)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 臨床 / 骨移植 / 脊椎固定術 |
Research Abstract |
本実験の目的は、我々の作製したアパタイトファイバー(以下AFS)をスキャフォルドにして骨再生を行い、実験動物に移植したAFSと骨との癒合の程度を評価し、骨欠損補填に利用可能な医療用デバイスを開発することである. 今年度も平成22年度に引き続き、高強度化したアパタイトファイバー(以下AFS)の、骨欠損補填材料としての有用性について評価するため以下の実験を行った。具体的には、AFSをイノシトール燐酸で表面修飾することにより高強度化したAFS(以下IP-AFS)を作製した.24週齢日本兎の脛骨中央に直径4.4mmのドリルを使って骨孔を作製後、IP-AFSを移植、4,8,24週後に移植部を切除、非脱灰研磨標本を作製し、組織学的検査を行い骨形成の程度を評価した.なお、比較対照として、HOYA社BIOPEX-R[○!R](以下control)をIP-AFSと同等の体積、形状に加工して利用した. 結果,病理組織所見にて,IP-AFS周囲には新生骨が旺盛に形成され,IP-AFSと密に骨性癒合しているのが認められた。一方control群も,周囲に新生骨形成を認めたものの,新生骨内には多くの空洞が形成されていた。TRAP陽性であったことから,破骨細胞による骨吸収が進行していることが判明した。また,controlとの骨性癒合もIP-AFS群と比べると乏しかった。Controlのほうが,骨吸収の進行が旺盛なためにIP-AFSよりも力学的に脆く,術中の操作により骨内で粉砕してしまうため,移植部周囲の骨と密着しにくかったことが原因の一つと考えられた。以上より,IP-AFSは,より高い親和性と力学的強度を持つ骨補填剤として応用可能と考えられた。
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