2011 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー代謝とラジカルスカベンジ能からみたCV-159の脳保護作用
Project/Area Number |
21591976
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
徳丸 治 大分大学, 医学部, 准教授 (40360151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 千尋 大分大学, 医学部, 助教 (30392715)
北野 敬明 大分大学, 医学部, 教授 (20211196)
横井 功 大分大学, 医学部, 教授 (80150366)
古賀 寛教 大分大学, 医学部, 医員 (50468013)
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Keywords | 病態生理学 / 核磁気共鳴法 / 脳虚血 / 脳保護 / 電子スピン共鳴法 / クレアチンリン酸 / ATP / CV-159 |
Research Abstract |
【^<31>P-NMRによる脳エネルギー代謝の測定】(担当:徳丸,黒木・北野) エーテル麻酔下にラットを断頭,速やかに大脳スライスを作成し,酸素化した10mMブドウ糖加人工脳脊髄液(ACSF)で灌流し,^<31>Pを観測核とする核磁気共鳴法(^<31>P-NMR)によりスペクトルを測定した。この実験系の標本作製や灌流系,^<31>P-NMR測定について,恒常的に改良を行った。 【CV-159よるに神経保護作用の脳虚血-再灌流モデルを用いた検討】(担当:徳丸・黒木・北野) CV-159(120μg/kg)腹腔内投与した群(投与群)と対照群とで,脳スライスに対する虚血-再灌流負荷前後の脳スライス中の高エネルギーリン酸であるクレアチンリン酸(PCr)の回復を比較した。虚血負荷によりPCr,ATPともに検出できないレベルに減少したが,再灌流により一定のレベルまで回復した。灌流再開1時間後のPCrは,投与群で虚血負荷前の67.0±55%,対照群で50.8±3.6d%に回復していた(p<0.05)。ATPのレベルや虚血負荷中の細胞内pHには差が認められなかった。 【電子スピン共鳴法によるCV-159のラジカルスカベンジ能の測定】(担当;横井・古賀) 水に難溶性であり容器に付着し易いCV-159のラジカルスカベンジ能の測定には工夫を要した。現在,CV-159のhydroxylラジカルスカベンジ能をESRにより測定中である。 【ルシフェリン/ルシフェラーゼ法によるATPの測定】(徳丸・黒木) 高エネルギーリン酸であるATPの^<31>P-NMRによる定量はスペクトルのS1N比が小さいため困難である。代替手段として,ルシフェリン/ルシフェラーゼ法のキットにより脳スライス中のATPを定量した。投与群と対照群の組織中のATPの量に差は認められなかった。 【研究のまとめ】(担当:北野,徳丸,横井,古賀) 3年間の研究の結果のとりまとめを行い,国内外の学会で発表や国際雑誌への論文の投稿の準備中である。
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