2010 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク前立腺癌に対するネオアジュバント遺伝子治療
Project/Area Number |
21592060
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 威文 北里大学, 医学部, 講師 (50286332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 健一 北里大学, 医学部, 助教 (20327414)
松本 和将 北里大学, 医学部, 講師 (70306603)
馬場 志郎 北里大学, 医学部, 教授 (00051889)
柳澤 信之 北里大学, 医学部, 講師 (80337914)
久保 誠 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (40464804)
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Keywords | 遺伝子治療 / 前立腺癌 / アデノウィルスベクター |
Research Abstract |
当該検討は、単独治療では治療後に再発する可能性が高い(ハイリスク群)限局性前立腺癌に対し、Herpes Simplex Virus-thymidine kinase(以下:HSV-tk)遺伝子発現アデノウイルスベクターを前立腺内に注入し、抗ウイルス剤であるガンシクロビルを全身投与した後、根治的前立腺摘除術を施行した場合の直接的な抗腫瘍効果と、間接的な免疫学的効果の解析・評価を目的としたPhase I/II臨床研究である。臨床的に遠隔転移を認めず、かつ術後5年以内に35%以上の確率で再発するとされる予後不良前立腺癌(Kattan Nomogram 115点以上)を対象とし、HSV-tk遺伝子発現アデノウイルスベクターを前立腺内に注入し、抗ウイルス剤であるガンシクロビルを全身投与した後(計2サイクル施行)、根治的前立腺摘除術を施行した。 これまでの解析の結果、同治療後の血清PSA値の低下は平均28.5%であり、activated Tリンパ球(CD8+DR+,CD4+DR+)の治療後の持続的な増加と、CD4+CD25+Tリンパ球の減少が確認された。また初回治療後における血清IL-2,IL-4の検出と、反復投与後におけるIL-2,IL-12p70,IL-10,IL-6およびINF-gammaもそれぞれ検出された。 同遺伝子治療により、その臨床効果と合わせて患者免疫の応答が確認されており、現在も継続して腫瘍特異的免疫の誘導の可能性につき、解析・検討を進めている。
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Research Products
(6 results)