2010 Fiscal Year Annual Research Report
生殖・周産期医療における内分泌・免疫ストレス要因の影響の解析
Project/Area Number |
21592118
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
下屋 浩一郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40291950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 隆文 川崎医科大学, 医学部, 教授 (20303969)
中井 祐一郎 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50271193)
郭 翔志 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50464178)
潮田 至央 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40454821)
張 良実 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70565910)
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Keywords | 母体ストレス / 酸化ストレス / fractalkine / 妊娠高血圧症候群 / RCASI / 早産 |
Research Abstract |
本研究の目的はヒト臨床検体を用いて各種因子の蛋白および遺伝子レベルでの発現を解析し、母体ストレスの定量化により母体ストレスと産科異常との関連を分析し、妊娠中の病態との関連を見出すことである。本年度は分娩時の胎盤、卵膜組織および母体血、臍帯血等の臨床検体を用いた解析により免疫抑制因子であるRCAS1(human tumor-associated receptor-binding cancer antigen expressed on SiSo cells)が、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの妊娠中の様々な病態に関連していることを明らかとし、RCAS1分子が将来的に治療ターゲットとなる可能性を示した(Am J Reprod Immunol,2010:Am J Obstet Gynecol)。また、酸化ストレス産生物である4-HNEが、子宮筋層に直接作用して早産に関与することを明らかとした(Gynecol Obstet Invest,2011)。さらに、妊娠中の母体ストレス定量化を行い、妊娠中の推移を明らかとし、母体の抑鬱状態によってストレス反応がむしろ抑制化されることを明らかとした(J Obstet Gynecol Res,2011 in press)。一方、慢性炎症などに関与するFractalkine(FRK)の妊娠中の動態を解析し、臍帯血FRKは母体血に比べて有意に高値で絨毛膜羊膜炎合併症例では臍帯血清FRKは高値を示し、早産症例では母体血清FRKは高値を示した。胎盤及び卵膜においてFRK及びその受容体蛋白の発現を確認した(現在投稿準備中)。平成22年度における検討で酸化ストレス、内分泌的ストレス、炎症性ストレスいずれもが妊娠中の病態に関与していることを明らかとした。
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Research Products
(5 results)