2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子学的手法を用いたセンチネルリンパ節転移の術中迅速診断法の開発
Project/Area Number |
21592200
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
松塚 崇 Fukushima Medical University, 医学部, 講師 (80336461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木暮 道彦 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90264548)
三浦 智広 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00423806)
鈴木 政博 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90513268)
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Keywords | センチネルリンパ節 / 扁平上皮癌 / 頭頸部癌 / 食道癌 / 術中診断 / OSNA法 / サイトケラチン19 |
Research Abstract |
現在、リンパ節転移の診断は標本の割面を病理学的に目視することで診断されている。そのため、微小な転移の場合、転移巣が割面に現れない可能性があり、リンパ節全体の情報を確認する方法が望まれる。更に転移の有無が短時間に判明すれば術中迅速診断への応用も可能となる。 OSNA法(One Step Nucleic Acid Amplification)は試料中に内在するサイトケラチン19(CK19)のmRNAを約30分で自動的に増幅し定量的に診断できる方法であり、従来の迅速病理診断法に代わる方法として乳癌領域ではリンパ節転移の診断の補助の目的で保険適用が認可されている。一方、それ以外の領域でOSNA法の有用性は確認されてない。今回の研究では本学の倫理委員会の承認を受けた上で、摘出リンパ節の診断にOSNA法を加え、頭頸部癌の頸部リンパ節転移の判定において、OSNA法の有用性を迅速病理検査結果と比較することにより検証した。 その結果、頭頸部扁平上皮癌の手術で採取した頸部リンパ節のうち、肉眼的および病理学的に壊死したリンパ節が1個存在し、このリンパ節のOSNA法の結果は陰性であったが、この壊死リンパ節を除いた30個のリンパ節において、迅速病理検査で転移ありの6リンパ節ではOSNA法で陽性、転移なしの24リンパ節ではOSNA法で陰性と、全てのリンパ節で迅速病理検査とOSNA法で結果が一致していた。 壊死リンパ節1個がOSNA法では診断できなかったが、壊死リンパ節を除外すると、OSNA法は頭頸部癌の頸部リンパ節転移診断においても乳癌における取り扱い規約に準じて迅速病理検査と同等の結果を得られる可能性がある。
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