2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592275
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金子 健一朗 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90335042)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 靖之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378193)
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30378195)
|
Keywords | 膵・胆管合流異常 / 先天性胆道拡張症 / マイクロアレイ / 胆道発癌 / miRNA |
Research Abstract |
膵・胆管合流異常における胆道上皮の発癌機序の解明を目的に,遺伝子転写(RNA)レベルでの変化に注目し,mRNAのみならず,タンパクをコードしないmicroRNA(miRNA)についても網羅的な解析を試みた。合流異常の3歳女児と,3歳女児の他腫瘍の再発で合併切除した胆嚢を用いた。パラフィンブロックから上皮を切り出し,total RNAを抽出し,DNA microarray(OpArray Human v4.0)とmiRNAアレイ(mirVana miRNA Bioarray v9.2)にハイブリダイセーションした。合流異常のmRNAでは対照より351遺伝子が発現亢進(強度比≧2)し,902遺伝子が発現低下(強度比≦0.5)していた。発現亢進する遺伝子のGene Ontology(GO)では生物学的プロセスのgene expression(40個),cell cycle(16個),apoptosis(14個)が,10以上の遺伝子で有意に発現(p<0.05,Z>0)するGOであった。発現低下する遺伝子では分子機能のtranscription repressor activity(17個),transcription corepressor activity(10個)が10以上の遺伝子で有意に発現するGOとして存在した。発現亢進遺伝子には抗アポトーシス因子であるBcl-2に結合する因子であるBAG1がみられた。miRNAアレイでは5個の発現変動がみられたのみだった。合流異常胆嚢上皮のmRNAはapoptosis, cell cycle,転写に関して小児期で既に発現異常かある可能性が不示された。これは合流異常で報告されているK-RAS遺伝子異常,細胞回転亢進および過形成変化と関連する異常と考えられる。一方,合流異常胆嚢上皮のmiRNAは小児期では発現異常はなさそうであった。
|
Research Products
(5 results)