2011 Fiscal Year Annual Research Report
上眼瞼ミュラー筋内の機械刺激受容チャネルに関する組織学的研究
Project/Area Number |
21592284
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杠 俊介 信州大学, 医学部, 准教授 (10270969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 清 信州大学, 医学部, 教授 (20135156)
藤田 研也 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (00447781)
矢野 志春 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (10531907)
伴 緑也 信州大学, 医学部, 助教 (30447784)
三島 吉登 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (80464098)
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Keywords | 上眼瞼 / ミュラー筋 / 機械刺激受容 / カハール介在細胞 / ICC / 平滑筋 / 神経線維 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
【背景】ミュラー筋が眼瞼挙筋の収縮を調節している機械刺激受容器官として働いていて、TRPVに代表される機械刺激受容チャネルがミュラー筋の平滑筋細胞内や末梢神経に存在することについて組織学的、生理学的に一昨年度証明した。さらに、ミュラー筋内に消化管や膀胱等の平滑筋と同様に、神経と平滑筋との間に介在して刺激伝達を調整する働きを有するカハール介在細胞ICCが存在することを抗c-Kit抗体を一次抗体とした免疫組織化学的手法を用いて組織学的に昨年度証明した。 【目的】ミュラー筋内の、交感神経節後線維、感覚神経である有髄神経およびICCの分布密度を組織切片より検索すること。交感神経α1受容体刺激剤であるフェニレフリンを上眼瞼結膜円蓋に点眼した場合の開瞼増加が時系列どう変化するか、ミュラー筋を実際に進展させたときに開瞼量がどれほど変わるかをボランティアで調べること。 【方法】解剖学実習用検体の7上眼瞼組織にて、平滑筋アクチン、c-Kit、S100、チロシンヒドロキシラーゼに対する抗体を一次抗体とした免疫組織化学染色とトルイジンブルー染色を行った。20名のボランティアでフェニレフリン点眼試験とミュラー筋伸展試験を行った。 【結果】ミュラー筋の平滑筋組織の間隙に、多数の感覚神経である有髄神経線維とICC陽性細胞を認めた。 交感神経節後線維である無髄の神経線維は少数であった。フェニレフリン点眼から最大開瞼まで平均3.8分かかりその効果は20分持続した。ミュラー筋伸展により反射的に開瞼量は増加した。 【考察】少数の交感神経節後線維からの刺激を平滑筋間のICCが介在してミュラー筋が収縮しその収縮が維持されることで機械刺激受容器としてのミュラー筋の感受性が調整されていることが予測できた。
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