2010 Fiscal Year Annual Research Report
硬骨魚類に着目した破骨細胞の分化制御因子の起源と進化の解明
Project/Area Number |
21592319
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土門 卓文 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50217618)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30230816)
|
Keywords | 破骨細胞 / 硬骨魚類 / TRAP陽性細胞 / 咽頭歯 / 咽頭歯骨 |
Research Abstract |
哺乳類の代表的な血清カルシウム濃度調節ホルモンは、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、そして活性型ビタミンD3である。これら3つのホルモンの系統発生学的出現を考えた場合、活性型ビタミンD3は硬骨魚類から出現している。これら3つの血清カルシウム濃度調節ホルモンは、哺乳類の生体内において破骨細胞の吸収活性と密接な関係をもつことが知られていることから、硬骨魚類では、系統発生学的に古い破骨細胞像が見られる可能性が考えられる。本研究は硬骨魚類の破骨細胞を形成する培養系を確立し、破骨細胞の分化制御機構の起源と進化を解明しようとするものである。 申請した研究計画調書に従い、平成22年度は硬骨魚類・破骨細胞の培養方法の確立を目指した。平成22年度の研究実績は次の通りである。 (1)硬骨魚類サケの肝臓と脾臓から細胞を採取し培養したが、破骨細胞のマーカー酵素であるTRAP陽性細胞は色々と条件を変えても僅かしか観察されなかった。 (2)上記の結果を踏まえ、硬骨魚類メダカにおいて破骨細胞が多数出現する生体内の部位を詳しく調査した結果、咽頭歯と咽頭歯骨に多数の巨大な破骨細胞が出現することがTRAP活性の組織化学標本から明らかとなった。このため、in vivoにおいて咽頭歯と咽頭歯骨を採取し、そこに見られる破骨細胞を機械的に分離し、in vitroにて培養する「分離培養」がもっとも高い確率で破骨細胞を培養できることが明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)