2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄に存在する神経堤幹細胞のスフェロイド培養による歯の再生技術の確立
Project/Area Number |
21592373
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
須澤 徹夫 Showa University, 歯学部, 講師 (60271285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20295132)
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
中村 雅典 昭和大学, 歯学部, 教授 (50180394)
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Keywords | 神経提細胞 / 象牙芽細胞 / 毛包 / PO-Cre / CAG-CAT-EGFPマウス / 歯胚再生 / 鼻甲介 / 口腔粘膜 |
Research Abstract |
神経提細胞は胎生初期に神経管癒合部から発生し、脱上皮後に増殖を繰り返して広く胚内を遊走する。遊走先の環境で多様に分化する神経提細胞は成体内に潜伏するため、再生医療への細胞ソースとして応用が期待されている。歯の形成は神経提由来の間葉系細胞が関与することから、私達は歯胚再生を目標に、毛包に存在する神経提細胞から象牙芽細胞への分化誘導を試みた。神経提に由来細胞する細胞を標識できる、PO-Cre/CAG-CAT-EGFPマウス(8週齢)の毛包(whisker pad)からセルソーターを用いてGFPを指標に神経提細胞を単離し、種々の条件(αMEM+10%FBS、αMEM+10%FBS+アスコルビン酸+β-グリセロリン酸、DMEM/F12+bFGF+EGF)で培養し、細胞増殖と分化誘導について検討した。細胞増殖能は細胞数ならびにBrdUの取込み、細胞分化はreal-timePCR法による象牙芽細胞マーカーのmRNA発現、石灰化能はALP活性染色とAlizarin red染色から評価した。GFP陽性細胞は、毛包の他に鼻甲介と口腔粘膜に存在した。毛包のGFP陽性細胞は、神経提由来細胞マーカーp75と神経幹細胞マーカーMusashi 1を発現し、陰性細胞ではp75、Musashi 1共に発現が認められなかった。bFGF、EGF存在下で培養すると細胞の増殖が促進し、神経提細胞関連マーカーTwistとMusashi 1の発現は維持された。アスコルビン酸、β-グリセロリン酸存在下では、p75の発現は減少し、象牙芽細胞マーカーDentin sialosphoproteinの発現が上昇し、ALP活性染色とAlizarin red染色陽性を示した。さらにBMP-2添加すると陽性細胞は増加した。神経提由来細胞は象牙芽細胞への高い分化能を有することが明らかになった。また、未分化状態の維持にはbFGFとEGFが必要であることが考えられた。歯原性細胞以外の細胞を、歯胚再生の細胞ソースとして利用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(20 results)