2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性肝疾患に関わる口腔レンサ球菌の病原因子の解明
Project/Area Number |
21592387
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
弘田 克彦 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (60199130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 洋一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80136093)
根本 謙 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10218274)
鹿山 鎮男 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50432761)
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Keywords | 自己免疫性肝疾患 / 細菌毒素 / 小胞体異常 / gp210 / BiP / アポトーシス / ヌクレアポリン / 口腔レンサ球菌 |
Research Abstract |
【目的】我々は口腔レンサ球菌Streptococcus intermediusの産生する膜孔形成毒素intermedilysin(ILY)により誘導されるHuCCT1細胞死では、小胞体異常が生じることを見出した。小胞体は核膜と連結しているため、小胞体異常時にはヌクレアポリンの分布変動も生じている可能性が考えられる。Ca2+結合糖タンパク質であるgp210は、動的ヌクレアポリンであり核膜変化時には小胞体に移行する。本研究では、ILYにより誘導される細胞内遊離Ca2+とgp210の分布変動をそれぞれ解析することで、ILYにより誘導される小胞体異常の分子機構を明らかにすることを目的とした。 【方法】S. intermedius UNS46の培養上清から精製したILYをヒト胆管細胞癌株HuCCT1に作用させて観察した。細胞内遊離Ca2+のリアルタイムモニタリングはFluo 4-AMによる蛍光Ca2+イメージング法により、小胞体異常は抗BiP抗体を用いて検討した。gp210の局在性は抗gp210(c末端)抗体を用いて、核膜孔変化はp62複合体等を認識するmAb 414を用いて検討した。 【結果と考察】40ng/ml以下のILYを含む培養液を添加後のHuCCTI細胞では、5分後には核膜孔がダイナミックに変化し、核Ca2+とgp210が、核収縮の見られる核から小胞体・ゴルジ体付近へ移行した。20分後にはBipにgp210が重なる部位の増加が共焦点レーザ顕微鏡を用いた蛍光二重染色により示された。また小胞体・ゴルジ体の空泡化とBipの減少が免疫電顕およびウエスタンブロット解析により示された。これらの結果から、ILYにより誘導されるHuCCT1細胞死でみられる小胞体異常には、核Ca2+とgp210の核から小胞体・ゴルジ体への異常な分布変動が関与する可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)