2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592445
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木村 慎二 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40361901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859)
植田 耕一郎 日本大学, 歯学部, 教授 (80313518)
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Keywords | ピエゾフィルム / 嚥下咽頭期 / X線嚥下造影検査 / 嚥下障害 / 舌骨移動時間 / 非侵襲的検査 / ベッドサイド検査法 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究はピエゾフィルム(圧電素子)を頸部の皮膚に装着して,頸部の振動から嚥下機能を評価する方法(以下本法と記す)を考案し、データの解析を行ってきた。 平成21年度にピエゾ波形とX線嚥下造影検査の画像を同期させ、そこから予測される舌骨の動きと嚥下動態の関連付けを行い、舌骨の後方移動をS1,前上方移動をS2,舌骨が元に移動する動きをS3とし、試験的に画像解析が行える事を報告した。さらに平成22年度に健常被験者を対象にピエゾ波形による正常嚥下の解析を行うために、空嚥下、蒸留水1,3,5,10,15mlによる嚥下時のピエゾ波形のS1,S2,S3の変化を試験的に解析し、安定した波形解析を行うことが可能であった。嚥下障害者では、空嚥下あるいは、0.4ml以下の極少量の水を咽頭上部に滴下する誘発嚥下で安全に嚥下検査が実施できることから少量嚥下のピエゾ波形の解析による嚥下評価が可能であることが示唆された。 平成23年度には、健常被験者10名(平均年齢42歳、男性7名、女性3名)の5mlの飲水(3回施行)の際のVF撮影とピエゾ波形解析等、定量的データ解析を行い、コントロール値を算出した。VF上の舌骨の動態時間のS1,S2,S3、及びピエゾ波形解析とも各回(1~3回)の比較をKruskal Wallisによる3群比較を行うと、有意差はない結果であった。この結果は本法の再現性が高いことを示唆する。さらにS1、S2ではVF潜時とピエゾ波形の潜時間に有意な相関(Spearman順位相関係数)が認められたが、S3では相関は認められなかった。以上の結果はピエゾ波形S1、S2の潜時が嚥下初期の舌骨の動態を反映することを意味する。このデータは今まで、嚥下造影検査をしなければ、知り得ない結果であったが、ピエゾセンサーを頚部に装着するだけで得られるデータである。つまり、非侵襲的に嚥下に要する時間を定量的に測定できる世界で最初のデータとなり、その臨床的意義は大きい。
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Research Products
(2 results)