2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動エネルギーを指標とした新しい咀嚼機能評価システムの構築
Project/Area Number |
21592467
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
大川 周治 Meikai University, 歯学部, 教授 (90144865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕信 明海大学, 歯学部, 講師 (60383204)
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Keywords | 咀嚼機能 / 運動エネルギー / 咀嚼機能評価 / CT / 客観的評価 / 咀爵 |
Research Abstract |
咀嚼機能の客観的評価法の確立は歯科医学上極めて重要である。従来の咀嚼機能評価は、咀嚼後の試料分析であって、機能動態として咀嚼運動を評価しているとはいえない。機能動態として咀嚼運動を評価する場合に、有効な指標の一つが運動エネルギーである。運動エネルギーはW(J)はW=1/2mv^2で表される。下顎の質量(m)は歯の喪失や加齢により減少し、補綴装置の装着により増加する。咀嚼の速度(v)は、個人により異なるとともに、加齢や食品により変化する。したがって、下顎の質量および咀嚼速度を測定すれば、咀嚼時における運動エネルギーが算出され、この運動エネルギーを指標とすることにより咀嚼運動を定量化することは可能であると考えた。 本研究では運動エネルギーを指標として咀嚼運動を定量的に評価するシステムの構築を試みた。今年度はブタの下顎骨とブタの軟組織のCT画像から各体積とCT値を求めるとともに、各組織の質量を実測し、CT画像から下顎運動体の質量を予測するための密度-CT値換算式を求めた。その結果、密度-CT値換算式y=0.001x+1.0573を得た。これによりCT画像から測定した下顎運動体の体積から実測不可能なヒト(生体)における下顎運動体の質量(m)を予測することが可能になった。今後はブタの下顎運動体の重量を実測し、予測値の補正式を求めるとともに運動エネルギーの分析を行っていく。
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