2010 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ被覆によるインプラント材料の骨伝導能の改善
Project/Area Number |
21592509
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野谷 健一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (70113602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
山崎 裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (90250464)
宇尾 基弘 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (20242042)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 生体適合性 / インプラント / 骨結合性 / ナノ材料 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブは生体親和性にも優れ、生体材料への応用も期待されている。本研究では歯科用及び医療用インプラント材料の表面をカーボンナノチューブで被覆する方法を模索し、ナノメートルレベルでの表面構造制御することにより、骨結合性に優れたインプラント体を開発することを目的として、実際のチタンインプラントの表面性状の物性評価とチタン表面へのカーボンナノチューブのコーティング法の改善を行った。物性評価ではX線吸収微細構造(XAFS)解析により、機械加工品および各種表面処理、特に陽極酸化したチタンの表面状態を分析した。陽極酸化したチタンでは最表面層はアモルファス二酸化チタンであり、内部にアナターゼ型二酸化チタンが存在することを見出した。機械加工表面のチタンインプラント表面にはバルク金属チタンからの特段の変化は見出せなかった。生体材料では体内で長期間安定に存在し、強度と信頼性に富むことが求められる。カーボンナノチューブは化学的耐久性に極めて優れ、有害な成分を含まず炭素のみから成り立っており、極めて高強度の繊維であることを考えると、良質の生体材料になる可能性を秘めていると考えられる。そこで歯科・外科用インプラント材料、特にチタンやセラミック材料の表面を種々のカーボンナノチューブで被覆した、ナノメートルレベルの制御された表面構造を持つ新たなインプラント材料を試作し、その骨結合性を評価した。カーボンナノチューブコーティングにあたっては、チタン表面に研磨やサンドブラストにより故意に凹凸を付与した試料に於いては若干のナノチューブの付着性の改善が見られ、陽極酸化により表面にマクロとミクロの複合した細孔構造を持つ凹凸を付与した場合にはナノチューブの付着性が大幅に改善することを見出した。
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Research Products
(1 results)