2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌とその周囲に拡がる異型上皮の段階的なエピジェネティック変化を検索する
Project/Area Number |
21592519
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤田 一 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60271805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10242439)
池田 順行 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70419282)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 異型上皮 / エピジェネティクス / 多段階発癌 |
Research Abstract |
近年、様々な疾患における遺伝子発現制御の機構として、塩基配列の変化を伴わないエピジェネティックな変化が注目されている。特に各種癌組織では、ゲノムワイドな低メチル化、特定ゲノム領域の高メチル化を認め、ゲノム不安定性の誘発や癌抑制遺伝子の不活性化により発癌への関与が報告されている。ところで、DNAの異常メチル化には、加齢やウイルス感染、炎症など様々な環境要因に影響を受けている。口腔粘膜でもこのような要因により異常メチル化を生じ、その後に多段階のエピジェネティックな変化によって前癌病変から発癌へと進行しているものと予想されるが、未だ詳細な検索はなされていない。そこで本研究は、前癌病変(異型上皮)および口腔扁平上皮癌におけるエピジェネティックな変化を検索し、口腔粘膜における発癌メカニズムの解明を試みる。 本年度は、口腔癌患者に研究内容を説明し、同意をいただいた2症例の手術の際に、摘出標本から健常部、異型上皮部、癌部の組織をそれぞれ検体として採取した。現在、組織検体からゲノムDNAを抽出した後、DNAメチル化解析を行い、統計解析(差分解析、抽出・比較解析)を進めている。
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