2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592532
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮脇 昭彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40200216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 龍二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 薬剤師 (50398278)
比地岡 浩志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70305150)
中村 典史 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60217875)
山口 孝二郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00210360)
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Keywords | 口腔前癌病変 / HIF-1α / Glut-1 / PDK1 / 解糖系代謝 |
Research Abstract |
口腔前癌病変を軽度上皮性異形成、中等度上皮性異形成、高度上皮性異形成に分類し口腔癌のパラフィン包埋した標本を用いて、HIF1α,Glut1,Glut3,PDK1の免疫染色を行った。HIF1αは口腔癌の標本では我々が行った研究では約70%の陽性率であった。Glut1も同様に口腔癌の組織では陽性率が70%程度である。一方、病理学的に軽度上皮性異形成,中等度上皮性異形成と診断された口腔前癌病変ではHIF1α、Glut1,Glut3はほとんど染色されなかった。それに比べ高度上皮性異形成と診断された口腔前癌病変ではHIF1α、Glut3の染色性はあがらないものの、Glut1では上皮基底層から有棘層の一部に染色される症例があった。PDK1については、軽度上皮性異形成ではほとんど染色されず、中等度上皮性異形成から高度上皮性異形成と進行するにつれ上皮全体に陽性率があがっていった。我々が標的としているHIF1α、Glut1、Glut3、PDK1は解糖系に関わる酵素であること、最近癌細胞においてPDK1のがん代謝における働きが明らかになりつつあることを考慮すると我々の免疫染色の結果は口腔粘膜上皮の異形成が進行する比較的早期の段階で解糖系の代謝に関わる酵素の上昇、特にPDK1と異形成との関連を示唆し、直接的に乳酸などの解糖系代謝産物の測定は困難であったが、高度上皮性異形成と診断されたものの中には口腔癌組織で観察されるような解糖系代謝の亢進しているものがあることが伺えた。
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