2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯科口腔外科治療中に発生する患者血液の空中浮遊について
Project/Area Number |
21592544
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中山 洋子 Matsumoto Dental University, 歯学部, 講師 (30308647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 清文 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90165481)
安田 浩一 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 准教授 (30230220)
石濱 孝二 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30432454)
梅村 哲弘 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70460441)
宮下 みどり 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (20513154)
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Keywords | エアロゾル / 血液汚染 / 歯科治療 / 高速回転切削器具 |
Research Abstract |
口腔外科診療室において、下顎埋伏智歯抜歯中に発生する血液を含んだエアロゾルの検出を行った。100cmはなれた所に設置した口腔外バキューム(ノズル先端にフィルターを設置)でエアロゾルを捕集したところ、90%以上の症例でフィルターに血液反応(ロイコマラカイトグリーン法)が認められた。同じ診療室で全部鋳造冠支台形成(歯肉縁下マージン)、2級窩洞インレー形成(隣接面のみ歯肉縁下マージン)、さらに超音波スケーリング操作においても100cmはなれた口腔外バキュームによるエアーサンプリングで血液が検出された。 口腔外バキュームの効果について検証するため、2台の口腔外バキュームを使用し、1台は術者の判断により術野から近いところ(約20cm程度)に自由に設置し、2台目は100cmのところに従来通りに設置した。下顎埋伏智歯抜歯で、100cmのみ設置した場合の血液検出率90%から、2台使用した場合の100cmはなれたとこうの口腔外バキュームでは50%に減少した。口腔外バキュームを使用することによって、エアロゾル化する血液の拡散は抑えられることが分かったが、エアロゾルがなくなるまでの効果は得られていないことも判明した。 エアータービンによる圧搾空気の問題に注目し、5倍速コントラハンドピースを代用し、同様の調査を行った。5倍速コントラハンドピースを使用した場合、100cmはなれたところに設置した口腔外バキュームからの血液検出率は50%と有意に低いことが分かった。しかしながら、術者が使用しているフェイスシールドの血液被曝率はエアータービンハンドピースより多い傾向があった(現在のところ統計学的検定が行えるまでに至っていない)。
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