2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯科口腔外科治療中に発生する患者血液の空中浮遊について
Project/Area Number |
21592544
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中山 洋子 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30308647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石濱 孝二 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30432454)
宮下 みどり 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (20513154)
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Keywords | 歯科診療 / エアロゾル / 感染 / 血液 |
Research Abstract |
高速回転切削器具を使用した観血的手術では血液を含んだ飛沫やエアロゾルが発生し、術者への血液飛沫暴露は約90%と非常に高く、また、術野から1m離れた場所でも血液を含むエアロゾルが検出されている。発生する血液飛沫や浮遊する血液エアロゾルの存在は医療従事者や易感染性患者に対して、職業感染や院内感染の問題が懸念される。そこでわれわれは、歯科治療時における飛沫やエアロゾルの発生を抑制するのに効果的な吸引子管について調査を行った。結果、細孔を付与した改良型吸引子管を使用した場合、フェイスシールドへの血液飛沫曝露率は59%であり、また、血液エアロゾルの陽性率は29%で従来型吸引子管使用時より低い傾向がみられた。よって、改良型吸引子管は、下顎埋伏智歯抜去術において血液エアロゾルの発生を減じるのに有用であると考えられた。(松本歯学2011年11月12日) 通常の診療時間帯における診療室内の汚染エアロゾルについて調査を行った。方法は、松本歯科大学口腔外科診療室にてフィルタをとりつけた移動式口腔外バキュームを診療室の中央部で2~3時間の連続稼働したのち、血液検出試験を行った。また、落下細菌検査を個別診療室、複数診療台設置診療室で行った。個別診療室では処置別に血液寒天培地上のコロニー数を記録。未使用診療台に血液寒天培地を設置し隣接している診療台での処置別にコロニー数を記録、簡易同定を行った。その結果、6台の診療台と口腔外バキュームの距離は3.2~8.8mで、調査したフィルタの血液検出試験陽性率は69%であった。個別診療室における単純抜歯では術野から離れるに従ってコロニー数は減少するのに対し、下顎埋伏智歯抜去では離れた培地でも減少はしなかった。複数診療台設置診療室では診療台から9メートル離れた場所に設置した培地でもコロニー形成が認められた。よって、患者血液は少なくとも3.2メートルは浮遊していることが確認できた。口腔内細菌の浮遊は高速回転切削器具の使用で増加し、広い範囲に拡散することが推察された。(松本歯学2011年11月12目)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたとおりにほぼ順調に進んでいる。 歯科治療時における飛沫やエアロゾルの発生を抑制するのに効果的な吸引子管について調査を行った結果、改良型吸引子管は、下顎埋伏智歯抜去術において血液エアロゾルの発生を減じるのに有用であると考えられた。通常の診療時間帯における診療室内の汚染エアロゾルについて調査を行った結果、患者血液は少なくとも3.2メートルは浮遊していることが確認できた。口腔内細菌の浮遊は高速回転切削器具の使用で増加し、広い範囲に拡散することが推察された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,改良型吸引子管と複数の吸引子管との比較を行う予定。また、診療室内における汚染エアロゾルについて、追求する予定である。
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Research Products
(2 results)