2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の浸潤・転移における上皮・間葉移行と細胞運動制御機構の解析
Project/Area Number |
21592554
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島末 洋 Hiroshima University, 病院, 助教 (40335683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 伸之 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70242211)
東川 晃一郎 広島大学, 病院, 講師 (80363084)
宮内 美和 広島大学, 病院, 講師 (10325201)
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Keywords | 口腔癌 / 上皮・間葉移行 / 癌の浸潤・転移 / 細胞運動能制御 / Rho |
Research Abstract |
転写因子Snailは上皮細胞間接着因子E-カドヘリンの発現を抑制して上皮間葉移行(EMT)を誘導することが知られており,われわれは口腔扁平上皮癌細胞株にSnailを強制発現させることでEMTに伴う高度浸潤能が獲得されることを見出した.そこでマイクロアレイ法を用いてSnailが発現を調節する分子群を抽出したところ,E-カドヘリンの発現低下以外にも複数の因子の発現変動が明らかとなり,今回,浸潤能獲得機構におけるこれら因子の関与を検討した.非EMT型口腔扁平上皮癌細胞株にCyr61を安定発現させた株を樹立し,細胞形態,走化性,遊走能および浸潤能を検討した.成長因子を安定発現させた癌細胞は,E-cadherinの発現を伴った上皮形質を保ちながらも有意に浸潤能が亢進し,また膜ラッフリングが誘導され,細胞膜付近にactinfiberの再構成の形成など細胞形態が顕著に変化して走化性が亢進した.口腔扁平上皮癌細胞におけるSnailによる高度浸潤能獲得機構において,上皮間接着の喪失と平行して遊走能を亢進させる機構の存在を明らかにした。
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