2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄・歯根膜細胞を用いた顎骨再生医療を目指した基礎研究
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21592615
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90147637)
中村 浩志 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00278178)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (20350829)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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Keywords | 歯髄細胞 / 歯根膜細胞 / カーボンナノチューブ / 石灰化 / BMP / Wntシグナル / マウス / ヒト |
Research Abstract |
現在までの我々の実験結果から、マウス由来の骨芽細胞培養系に多層カーボンナノチューブ:MWCNT(VGCF-Sを使用)を添加すると、通常より早期に石灰化が起こることを明らかにした。さらに、NWCNTはin vivoにおいても、石灰化に対して促進的に作用することも実証した。また我々は、マウスの下顎前歯から採取した歯髄および歯根膜組織を用いた簡便な培養方法を確立した。その結果、マウス歯髄から採取した細胞は、骨芽細胞と比較して著しく高いアルカリホスファターゼ活性を有しており、in vitroおよびin vivoにおいて強力な石灰化能を有していることを明らかとした。歯髄細胞の有する高い石灰化能は、BMPシグナルとWntシグナルに対するそれぞれの特異的阻害剤の添加によっても全く阻害されなかった。この現象は、骨芽細胞では全く認められず、歯髄細胞の大きな特徴と考えられる。そこで、多層カーボンナノチューブの石灰化に対する影響について検討するために、ヒト抜去歯由来の歯髄細胞培養系の確立を行った。ヒト抜去歯由来の歯髄細胞と歯根膜細胞および胎児由来の間葉系細胞を各種条件(コラーゲンやビトロネクチンをコートしたディッシュ)で3週間培養した結果、ヒト歯髄細胞において強いアルカリホスファターゼ活性を示すことが明らかとなった。アルカリホスファターゼに対するコラーゲンやビトロネクチンコートの効果は認められなかった。ウシ胎児血清(FBS)のみならず、無血清培地(STEM PRO)においても歯髄細胞の強いアルカリホスファターゼ活性が認められた。さらに、石灰化能を検討するために、βグリセロリン酸とアスコルビン酸を添加した培養液にて4週間培養したそれぞれの細胞に対してアリザリンレッド染色を行った。その結果、ヒト歯髄細胞のみならず歯根膜細胞においても強い石灰化が認められた。
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