2011 Fiscal Year Annual Research Report
患者の睡眠衛生を促進するための呼吸瞑想法の効果に関する研究
Project/Area Number |
21592680
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
田渕 祥恵 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (00400763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小板橋 喜久代 群馬大学, 医学部, 教授 (80100600)
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Keywords | 睡眠衛生 / 呼吸瞑想法 / 看護技術 |
Research Abstract |
平成23年度は、呼吸瞑想法による睡眠改善効果の検証を行った。 研究趣旨に同意が得られた健常成人を対象に、呼吸瞑想法(「呼吸」そのものに注目させる注意集中法としての瞑想法)の指導を行った後、1日1回、10分程度の呼吸瞑想法の練習を課した(連続4週間)。研究参加期間(8週間)において、睡眠日誌の自己記入と呼吸瞑想法の練習記録用紙への記入を求めた。また、研究参加開始日と開始4週後にそれぞれ連続2夜人工気候室に宿泊してもらい、就床前の眠気やストレス反応の測定、携帯睡眠計による睡眠脳波を測定し夜間睡眠の状態を観察した。対象者にはて事前に人工気候室宿泊日の禁酒と就床予定時刻4時間前からカフェイン摂取を禁じた。なお、人工気候室内における就床前の活動は、研究開始日から2夜は座位姿勢で過ごしてもらい、研究開始4週後から2夜は、座位姿勢で呼吸瞑想法を実施した。そのほか、睡眠の質に関する質問調査(PSQI、ESS)と精神健康度調査(GHQ30)を、研究開始前、研修開始4週後、研究開始8週後(計3回)実施した。 呼吸瞑想法の指導開始前と練習開始4週後の睡眠変数の比較から、入眠潜時(就床から入眠までの時間)の短縮、総睡眠時間(就床から起床までの時間から総覚醒時間を差し引いた時間)の増加、睡眠効率(就床中、眠っていた時間の割合)の上昇、覚醒回数の減少傾向が示された。また、就床前に瞑想呼吸法を実施した場合には、唾液アミラーゼの低下、脈拍数の低下、拡張期血圧の低下が示された。一方で、VASによる眠気や拡張期血圧に変化はほとんど見られなかった。睡眠の質や精神健康度調査結果から、呼吸瞑想法実施前に比べて4週目および8週目は経過とともにそれぞれの得点は減少する傾向が示された。
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