2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護学生の危険予知能力育成のための教育方法に関する研究
Project/Area Number |
21592694
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
南 妙子 Kagawa University, 医学部, 准教授 (60229763)
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Keywords | 看護学生 / 危険予知能力 / 教育方法 / 安全教育 |
Research Abstract |
安全な医療・看護を提供するため、看護基礎教育において医療安全教育の強化、なかでも学生の危険予知能力を高めることが求められている。危険予知能力育成のための教育方法としては危険予知トレーニング(KYT)の導入効果が多く報告されているが、看護技術の講義・演習へのKYTの効果的な導入方法ならびに導入の効果を検証することが本研究のテーマである。研究の第1段階として、平成21年度は、危険予知(予測)、ならびにKYTに関する文献を収集し、危険予知(予測)能力を構成する要素や危険予知能力に関係する要因の整理分析を進め、学生の危険予測の特徴を明らかにすることが主たる計画内容であった。1.文献検討の結果、危険予知能力(ある状況下において、好ましくない事態が生じる前に危険源を危険と察知し、危険を予測できる能力)を測定する研究は、交通場面が多く、医療・看護場面での研究は少なかった。看護師や看護学生の危険予測の傾向を明らかにしている研究は、転倒場面が多かった。看護における危険予測や危険予知に関する研究は、事故の種類や発生要因、ある状況下において看護師が知覚する危険要因などの視点から行われているものが多く、近年では、ヒューマンエラーなどの認知心理学の考えを応用した研究が行われてきているが、危険予知能力そのものを評価・測定する尺度等の作成はなされておらず、危険予知能力測定のための方法論を組み入れた研究デザインの再考が必要である。2.KYT導入準備として、1年次生に対し、イラスト画を用いて車いす移乗・ストレッチャー移送時の危険要因の抽出傾向を調査し、演習前後で比較した。イラスト画の示す状況と演習内容により危険要因の抽出内容に差が生じることが示唆され、提示方法ならびに演習体験内容の検討が課題と考えられた。
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