2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護技術としてのフェイスマッサージの技術モデル開発に関する研究
Project/Area Number |
21592698
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大川 百合子 University of Miyazaki, 医学部, 講師 (60270055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 サトエ 宮崎大学, 医学部, 教授 (60149705)
|
Keywords | マッサージ / 唾液アミラーゼ / ストレス緩和 |
Research Abstract |
平成21年度は、本研究に関する文献検討を行い、研究の動向と本研究の位置づけの明確化を行った。その結果、看護として確立したフェイスマッサージ技術は無く、美容界においていわゆるツボを圧迫する方法や、リンパ管、表情筋を軽擦する方法がみられただけであった。また、フェイスマッサージによる身体・心理的な効果について科学的根拠を示した研究は少なく、特に免疫系の指標である唾液アミラーゼを使って効果を測定したものはごくわずかであった。これらのことから、フェイスマッサージ技術の試案作成や効果に関する実験は熟慮、検討する必要があり、まずハンドマッサージによるCrossover pilot studyを計画して、適切なデータ収集方法を模索し本研究の土台作りを行った。 ハンドマッサージでは、11名の健康な成人女性に計算を15分間実施するというストレスを与え、マッサージ群と安静群に分けてバイタルサイン値、気分尺度(POMS)値、唾液アミラーゼ値の推移を測定した。その結果、バイタルサインや唾液アミラーゼ等で有意にストレス緩和を示すような変化は認められなかった。これは対象者が健康な女性であり元々のストレス度が低かったことと、今回採用したストレス負荷の量や質にも一因があったと考える。しかし、POMSでは、マッサージ群の方が有意に得点の低下を示した項目がやや多く、自由記載からも心理的なストレス緩和の効果は示されていた。また、対象者の中にはマッサージ実施者の手が冷たく感じたり、マッサージをする時間が短いという意見があり、実施者の手の温度、実施時間はマッサージ技術の重要な要素で、フェイスマッサージでも考慮する必要があると考えた。これらの成果をもとに、フェイスマッサージ技術モデル試案の決定と、その効果に関する実験を行う予定である。ハンドマッサージに関する研究は第36回日本看護研究学会学術集会に演題登録した。
|