2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護技術としてのフェイスマッサージの技術モデル開発に関する研究
Project/Area Number |
21592698
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大川 百合子 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60270055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 サトエ 宮崎大学, 医学部, 教授 (60149705)
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Keywords | フェイスマッサージ / 心拍変動 / 唾液アミラーゼ / sIgA |
Research Abstract |
筆者らは,金子(2006)のタッチに関する理論枠組みと,入江ら(1995)のストレスとホメオスタシスを司る生体系の概念図を補足的に用い,フェイスマッサージによる心身の反応モデルとその評価指標(案)を作成した。先行研究におけるフェイスマッサージの時間は5分間が最も短く,45分間が最も長かった。そこで本研究では5分と,他の部位での最小時間である10分の実施時間で,フェイスマッサージによる心身の反応を比較することにした。また,実験のプロトコールは,平成22年度までに行ったハンドマッサージの結果を反映して作成した。本研究は所属大学の研究倫理委員会に承認を得て実施した(承認番号936)。 20~40歳代の健康な女性7名を対象に実験を行った。5分,10分ともにバイタルサイン,末梢温,唾液アミラーゼ,sIgAについては継時的な変化はなかったが,5分のフェイスマッサージでは,深部体温がマッサージ前を基準点としてマッサージ直後と,終了10分後で上昇する傾向が見られた。また,5分のフェイスマッサージでは,POMS (Profile of Mood States)において混乱(Confusion)の項目で得点が低下していた。心拍解析では,両方のマッサージでLF/HF(交感神経系活性)がマッザージ中に上昇し,マッサージ終了後減少した。HF(副交感神経系活性)はマッサージ中に上昇し,終了後にさらに上昇する傾向があった。また,オイルを拭きとるための蒸しタオルでの清拭もHFの上昇に関わっていると考えられた。被験者の感想では「人の手の温かさが伝わった」「フェイスだけでなく心もスッキリした」等が聞かれた。今回の実験では,免疫系への効果は得られなかったが,5分間のフェイスマッサージで副交感神経優位となったことや,深部温の上昇がみられたことから,短時間のフェイスマッサージでもリラクセーション効果が期待できると考えられた。
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