2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護学実習における学習状況自己評価システムの開発-看護学生の学士力育成に向けて-
Project/Area Number |
21592704
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
山下 暢子 Gunma Prefectural College of Health Sciences, 看護学部, 准教授 (30279632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟島 なをみ 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (00229098)
中山 登志子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 准教授 (60415560)
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Keywords | 看護教育学 / 看護学実習 / 自己評価 / 看護学生 / 学士力 |
Research Abstract |
この研究の目的は、看護学生が実習中の学習状況を自己評価し、学習の改善に役立てる自己評価システムの開発である。平成21年度は、学生が実習中の学習経験を自己評価する尺度の開発に向けて、研究計画書・尺度の作成に取り組んだ。その具体的内容は、次の通りである。 この尺度開発研究は、学生自身が「実習目標達成に結びつく学習経験」をどの程度累積してきたのかを確認し、学習経験の質を把握できる尺度の開発を目ざす。また、質問項目作成の基盤として、質的帰納的研究の成果である看護学実習中の学習経験を表す11概念を用いる。これら11概念は、看護学実習中の学習経験の総体を表す。そのため、11概念の中には、実習目標達成に結びつく学習経験に加え、直接結びつかない学習経験も包含される。そこで、質問項目作成に先立ち、各概念がどのように「実習目標達成に結びつく学習経験」を包含するのか、「実習目標達成には直接結びつかない学習経験」しか包含しない場合には、それをどのように改善・調整すれば「実習目標達成に結びつく学習経験」となるのかを考察した。その結果は、「実習目標達成に結びつく学習経験」9種類の存在を示した。 次に、これら9種類を下位尺度とし、質問項目の作成・尺度化・レイアウトに取り組んだ。本研究は、学生の自己評価に主眼を置く。そのため、学生にとって活用しやすい尺度となるよう、質問項目の内容・順序、説明文などを可能な限り学生に分かりやすく表現した。 平成22年度は、尺度の開発を目ざし、質問項目の選定、尺度の信頼性・妥当性の検証に向けて、全国調査を実施する。 この尺度は、学生による学習経験の自己評価を可能にするとともに、学生自らによる学習の改善に繋がり、目標達成度を向上するという意義を持つ。また、これまで、このように看護学生が実習中の学習経験を自己評価するための尺度は開発されておらず、この尺度の開発は非常に重要である。
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