2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護学実習における学習状況自己評価システムの開発―看護学生の学士力の育成に向けて―
Project/Area Number |
21592704
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
山下 暢子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (30279632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟島 なをみ 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00229098)
中山 登志子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (60415560)
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Keywords | 看護教育学 / 看護学実習 / 自己評価 / 看護学生 / 学士力 |
Research Abstract |
研究目的は、看護学生が実習中の学習状況を自己評価し、学習の改善に役立てる自己評価システムの開発である。平成23年度、看護学実習中の学生の経験を表す概念を基盤に『看護学実習中の学習「経験」自己評価尺度』を作成し、その信頼性・妥当性を検証した。また、この尺度ど『看護学実習中の学習「行動」自己評価尺度』を用いた全国調査を行った。さらに、調査結果を基に、学生が実習目標達成に向けて達成すべき「行動」基準得点・「経験」基準得点の設定に向けて、基準の設定方法に関する文献検討を行った。その具体的内容は、1.2.3.4.の通りである。 1.看護学実習中の学生の経験を表す概念を基盤とし、9下位尺度63質問項目から成る『看護学実習中の学習「経験」自己評価尺度』を作成した。 2.1.の尺度と先行研究の成果『看護学実習中の学習「行動」自己評価尺度』を用い、看護基礎教育機関31校に在籍する学生1,882名を対象とする全国調査を行った。 3.α係数相関係数、因子分析の結果に基づき項目を選定して45質問項目から成る尺度を再構成し、尺度の信頼性・妥当性を検討した。 4.基準得点の設定方法に関する文献検討を行い、本研究の基準設定方法として、学生の目標達成状況に基づいて基準を設定する方法である「対照群法」を選択した。 本研究の開発を目ざす『看護学実習における学習状況自己評価システム』は、学生が実習中め学習状況を「行動」のみならず「経験」からも自己評価することを可能にする。また、学生による学習の改善に繋がり、目標達成度を向上するという意義を持つ。さらに、これは、自らを律して行動できる自己管理力や卒業後も自律・自立して学習できる生涯学習力を向上し、学生の学士力の育成に結びつく。 これまで、看護学生が実習中の学習状況を「行動」のみでなく「経験」からも自己評価するシステムは開発され,ておらず、このシステム開発は非常に重要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙調査のデータ収集に想定を超える約5ヶ月間を要した。それは、データ提供者となる学生が研究参加の拒否を表明しにくい立場にあることを考慮し、可能な限り研究者が直接学生と対面して研究協力を依頼したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目標達成に向けて、次の1.2.3.4.5.を進める。 1.基準設定方法として選択した「対照群法」を用いて、一次的な「行動」基準得点・「経験」基準得点を設定する。 2.文献検討に基づき『看護学実習中の学習状況自己評価システム』開発のための理論的枠組みを構築する。 3.2.の枠組みを基に、平成23年度までの研究成果および「行動」基準得点・「経験」基準得点を統合し、『看護学実習中の学習状況自己評価システム』を開発する。 4.研究協力に承諾の得られた学生に『看護学実習中の学習状況自己評価システム』の活用を依頼する。 5.システムを活用した学生を対象とするフォーカスグループインタビューを実施して、『看護学実習中の学習状況自己評価システム』の有効性を検討する。
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