2011 Fiscal Year Annual Research Report
「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」における看護職の役割と機能
Project/Area Number |
21592707
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
志自岐 康子 首都大学東京, 大学院・人間健康科学研究科, 教授 (60259140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
習田 明裕 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60315760)
三輪 聖恵 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (20457831)
笠原 康代 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (00610958)
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Keywords | 終末期医療の決定プロセス / 意思決定 / ガイドライン / 看護 / チーム医療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、終末期医療を決定する過程で、ガイドラインの理念に沿った終末期患者の尊厳や権利を尊重するケアが提供されるために、看護職者が担う役割は何かを明らかにすることである。今年度は、さらにデータ収集を重ね、良質なチーム医療を提供していると評価されている3つの医療機関において、終末期医療に医療チームとして関わる看護師、専門看護師と認定看護師、緩和ケア医、内科医(主治医)、ソーシャルワーカーを対象として、半構成的面接法を行い、1)終末期医療の決定プロセスにおける看護職の役割、2)終末期医療の課題、2)質の高い終末期医療の提供に必要なこと、等を明らかにした。看護師等は、患者が自分が置かれている状況(病態を含む)を正しく理解しているのか、患者本人の真意や意向は何かを日常の実践において探っていた。その過程では、患者の感情の表出を促し、患者の苦しさや頑張りを認める等、多様なケアを行っていた。看護師も医師も、患者が自分の病名を知っていることが重要と考えており、信頼関係の構築には不可欠であると捉えていた。ソーシャルワーカーは、入院前から退院にかけて継続的に患者や家族の心理的社会的側面に深く関わっており、医師や看護師と連携しながら、患者と家族の支援を行っていた。今回対象とした5つの医療機関の内、4つは、終末期医療決定プロセスのガイドラインは周知されていなかったが、緩和ケア、すなわち麻薬や鎮静剤のガイドライン等は活用されていた。看護師は、患者は医療者に対して意見や感情の表出を十分できていない者もいると捉えており、患者の意思決定の尊重の実現には課題があることが示唆された。
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