2009 Fiscal Year Annual Research Report
温炙によるタサキン系抗ガン剤副作用の「しびれ」改善効果に関する研究
Project/Area Number |
21592749
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
辻川 真弓 Mie University, 医学部, 准教授 (40249355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 和子 三重大学, 医学部, 教授 (30185334)
吉田 和枝 三重大学, 医学部, 准教授 (40364301)
後藤 姉奈 三重大学, 医学部, 助教 (80420389)
岡本 実保 三重大学, 医学部, 助教 (30376313)
大石 ふみ子 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10276876)
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Keywords | タキサン系抗がん剤 / 副作用 / 末梢神経障害(しびれ) / 温灸 |
Research Abstract |
【対象】タキサン系抗がん剤による治療中であり、かつ末梢神経障害(しびれ)を生じている患者17名を対象に、2施設において介入を開始した。【方法】火を使わない貼用タイプの温灸を用いて、8ヶ所の経穴に2時間/回、3回/週の温灸を、各人12週間の実施予定とした。温灸効果の評価には、主観的指標としてしびれに対する数量化尺度や面談内容、POMS、SF8などを、客観的指標として触感覚、位置感覚、握力などの指標を用いた。研究開始にあたり、三重大学医学部研究倫理委員会の承認を得た。【現在までの成果】研究は進行中であり、まだ少数例の実施であり、温灸の効果を判定するには至っていない。しかし、客観的指標では温灸による効果は観察されにくい状況にあっても、主観的指標や面談内容からは、半数程度の対象者が効果を自覚している。温灸によりしびれ改善が自覚できた対象者の特徴として、(1)介入時点の末梢神経障害が軽微でありPSが良好であること(2)温灸を継続しておこなうこと(3)介入後早期に症状改善の自覚があること(4)しびれに対して「強い関心を寄せる姿勢」と「対処したいという思い」を持っていることが挙げられた。【今後の課題】現時点では対象数が少ないため、今後は介入群・対照群ともに対象数を増やしていくことに重点をおきたい。対象数がある程度蓄積した時点で、統計的検討を加え、末梢神経障害への温灸の介入効果を検討していきたい。
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